偽薬の効果は投与方法と年齢によって変わる

偽薬の投与方法はプラセボ効果の高さに違いを与えます。

最近では、飲み込む錠剤タイプや注射器を用いるタイプ、塗り薬タイプなどさまざまな方法があります。

そして2015年の研究では、変形性関節症の患者に、いくつかの方法で偽薬が投与されました。

プラセボ効果を向上させる条件とは?
(画像=注射器での偽薬投与が一番効果が高かった / Credit:Depositphotos、『ナゾロジー』より引用)

その結果、関節に直接注射するタイプのプラセボは、塗り薬タイプのプラセボよりも高い効果が出ました。

さらに塗り薬タイプは錠剤タイプよりも高い効果が出たようです。

つまり、すべてが偽薬にもかかわらず、投与方法によって効果の差が明確に現れたのです。

これは私たちが、「飲み薬や塗り薬よりも注射の方が重大な場面で利用され、なおかつ効果も高い」という認識を持っているからなのかもしれません。

また2008年の研究では、年齢の違いにも焦点が当てられました。

大人よりも子供の方が高いプラセボ効果を得られる、という結果が出たのです。

知識と経験の浅い子供の方が、薬に対する思い込みが強いため、プラセボ効果も向上したのかもしれません。