目次
【山林が売れないとき②】寄付で処分する方法
【山林が売れないとき③】引き取りサービスを利用する方法
【山林が売れないとき②】寄付で処分する方法
売りたくても売れないときは「他人にあげてしまう」という方法があります。いわゆる寄付です。
寄付といえばお金を授受する印象はあるかもしれませんが、山林のような不動産を寄付することも可能です。
団体の中には寄付を受け付けているケースもあります。自治体も寄付を受け付けていますので、売れない山林を寄付の受付先に相談して「あげてしまう」ことも方法のひとつです。
山林が売れないときに寄付する方法|寄付の流れ
山林が売れないときに寄付を考える際は、寄付先に話を通しておく必要があります。
例えば少額を寄付するときなら、募金箱にそのまま投入すればいいだけです。また災害の際に金融機関を通して寄付する場合は、あらかじめ準備されている口座へ手順に従って振り込みをします。つまり事前に相談することはあまりありません。
山林の場合は不動産ですから、少額を募金箱などに寄付するケースとは訳が違います。寄付された先は山林の維持や活用を考えなければいけません。固定資産税や贈与税といった税金の問題もあります。そのため山林のような不動産を寄付するケースでは、事前に寄付先へお伺いを立てておくことが基本です。
寄付先に話して「山林を受けとります」という話になったら、山林そのものや権利関係を寄付先に引き渡すという流れになります。
寄付には「受け取ってもらえない」といった注意点がある
売れない山林を寄付によって処分するときは、「そもそも寄付を受け付けてもらえないケースがある」ことに注意が必要です。
寄付はあくまで寄付であり、押し付けではありません。自治体や団体に売れない山林の寄付を申し出ても、寄付を断られるケースもあります。なぜなら寄付対象の山林は「売れない山林」だからです。
すぐに売れてしまうような山林であれば、自治体や団体も利用価値を認めて寄付を受け付けてくれる可能性があります。しかし売れない山林の場合は、寄付を受けた先で維持管理に労力や金銭を費やさなければいけません。売れないもののために、金銭や労力を費やそうと考えるでしょうか。
価値のないもの(もらっても嬉しくないもの)を寄付として受け取る自治体や団体は、まずいないはずです。売れない山林の場合は寄付を打診しても「いりません」と即座に断られる可能性が高く、寄付は極めて難しいことになるでしょう。
ただし方法としては可能です。山林を欲しがっている団体や山林を運用している団体に根気強く声をかけてみれば、もらってくれる受け入れ先が見つかるかもしれません。
なお寄付の際は先方に話を通しておくことも重要ですが、税金や手続きも重要です。税理士や弁護士といった専門家にも相談しておくと、スムーズに寄付できます。
【山林が売れないとき③】引き取りサービスを利用する方法
山林が売れないときは、「サービスを利用して誰かに引き取ってもらう」という方法もあります。
寄付と同じではないかと思うかもしれません。引き取りサービスの場合は、引き取ってもらう側(売れない山林の所有者)がお金を払って引き取りしてもらうという点で違いがあります。
山林がどうしても売れない、だからこそお金を払って引き取ってもらうわけです。所有が負担になっている山林の場合、お金を払ってでも引き取ってもらった方が特になるケースも考えられるのではないでしょうか。
たとえば売れない山林の維持管理(税金含む)に、毎年50万円ほどかかっているとします。山林を引き取ってもらうためには30万円かかると提示されました。この場合だと山林引き取りサービスへ30万円払って、手早く山林を引き取ってもらった方が明らかに負担は軽くなるわけです。
仮に山林引き取りサービスへの支払いが50万円を上回っていたとしても、売れない山林の維持管理費用は2年で100万円になります。3年で150万円になるわけですから、将来的にかかる費用と比較すれば負担減になることでしょう。
山林が売れないときに引き取りサービスを利用する方法
山林が売れないときに引き取りサービスを利用する場合は、サービスを提供している会社に相談しなくてはなりません。
サービス提供会社は山林を欲している人とつながりがあります。山林引き取りサービスを通じて山林が欲しい人や会社に引き取ってもらうという流れです。
手続きの流れは、山林引き取りサービスを提供している先によって違う可能性があります。まずは提供会社に相談してください。相談時に手続きの流れや引き取り時にかかる費用についても、しっかりと確認しておきましょう。
売れない山林を引き取りサービスで処分するときは「費用面」に注意する
山林の引き取りサービスは基本的に有償です。引き取ってもらうためにはある程度の費用負担が発生するので、十分に注意してください。
山林を売りたいけど売れない人の中には、
- 「山林を売ることで資金調達したい」
- 「いらないといっても不動産だから、相応の価格で買い取って欲しい」
と考える方もいらっしゃることでしょう。
山林引き取りサービスを利用した場合は、山林売却による資金調達は難しくなります。むしろ引き取りのための費用負担が発生しますので、「どうしても売りたい」という人には不向きです。
また引き取りのためには、手続きも含めてある程度まとまった金額が必要になる可能性があります。まとまった資金を準備できるかも考えたうえで、サービス提供先に相談してみましょう。