フリーランスの営業力3. お金まわりのコミュニケーションは「自分からは言わない」
ゆぴ: 営業をするうえで大切なのが報酬の話だと思うんですが、ここはどのようにコミュニケーションしていますか?田村: 自分からは話さないようにしています。
まずはお互いのことを話したうえで、単価を聞かれたら答えるようにしています。あとは相手方が決めることなので、自分からは何もしないですね。
まずはお互いを知ることから始めなくちゃいけないのに、いきなりお金の話を出すのはちょっと……。

田村: 仕事内容の提案なども基本的に「相手待ち」の姿勢です。相手が求めていないことを提案しても、「いや、そんなの求めてないし」と思われるかもしれない。
仲良くなる過程で「じつはこんな悩みがあるんだよね」と打ち明けてもらったら、仕事を依頼してもらえる存在になれたということなので、そのタイミングまで待っていてもいいと思います。
ゆぴ: 「待ち」の姿勢なんですね。ちなみに、私はクライアントに合わせて値段を変えることもあるのですが、田村さんはどうですか?
田村: 自分は時期によっても変えていましたね。駆け出し時は実績がないので、安い金額で尽くすのも大事です。その後に徐々に上げていけばいいと思います。
フリーランスの営業力4. プロフィールやポートフォリオは「引き算」でつくる
田村: ……ここまで散々営業の話をしていて恐縮なんですけど、いまの僕は営業をする必要がないんですよ。独立したてのころは、営業を学んだほうがいいんじゃないかと思ったんですけど、いまやフリーランス・経営者専用ビジネスマッチングアプリ『BizOn!』(ビズオン)がクライアントを連れてきてくれるので……。

ゆぴ: え、どういうことですか?
田村: BizOn!は毎日12時に自分と相性のいい経営者を5人紹介してくれるんです。それで、プロフィールをみてお互いに興味を持てばマッチングが成立し、連絡が取れるようになる仕組みのアプリで。自分に興味を持ってくれる人とだけ出会えて、相手のニーズと自分のスキルが合致すれば自然と仕事につながるので「営業する」という概念自体がなくなりました。
BizOn!に登録した最初の1ヶ月だけでも20人ぐらいと話したんじゃないですかね。会って話してを繰り返して、途中からは純粋に交流を楽しむようになりました。
だから、「フリーランスはSNSをやるべき」と言われるけど、ぶっちゃけやらなくても困っていないですね。
ゆぴ: へぇぇ! 私の場合はSNSでの案件獲得が多いので驚きました。
田村: 自分もSNSを活用していたこともあるけど、途中から効率が悪いなぁと思うようになって。投稿するのも、いいねするのも面倒くさいじゃないですか。BizOn!は余計な小細工がなくて、ダイレクトに会えるので単純に時間が節約できて良いなと思います。
だって、自分に興味のある人しか集まらないということは、こちらがメッセージを送りさえすれば、話してくれるんですよ!? 「このメガネ、キモいな」とか思っている人はそもそもマッチングしないので大変ありがたいです。

ゆぴ: ちなみに、プロフィールが依頼のキモとなると思うのですが、作成するうえでのコツはありますか?
田村: 僕のプロフィールはすごくシンプルですよ。意識したのは経歴とできることをきちんと書くことと、自然な写真を載せること。僕は勤務していた飲食店も書いていますが、「ここで働いていたんだね!」と話のフックになっています。
あと、クライアントが会いたいと思ってくれるかどうかは「自分の仕事を手伝ってほしい」「売り上げにつながるから」など、何かメリットになることがあるからだと思うんです。そこを経歴と実績でアピールできるといいんじゃないかな。
ただ、あまりアピールしすぎると、冒頭で言っていたように「ビジネス感」が出てしまうので、最低限必要なものだけ記載して重要なものを引き立たせる引き算のプロフィールにしています。シンプルなほうが、かえってもっと知りたくなるんじゃないかと思って。
ゆぴ: ここでも「ビジネス感」を出さないのがポイントなんですね。
