牛丼大手3社の2022年第二四半期決算が出揃った。コロナ禍で飲食業全体が打撃を受ける中、牛丼チェーンの業績はどうなったのだろうか。大手三社を見ていこう。

すき家を展開するゼンショーの独り勝ち

すき家・なか卯を展開するゼンショーホールディングス<7550>の2022年第二四半期の売上高は3,169億6,400万円、前年同期比10.1%の増収だった。

営業利益・経常利益・当期純利益、すべて増収となった。この流れは続く見込みで、2022年3月期の決算も増収増益で着地する見込みだ。

ゼンショーホールディングスがコロナ禍で強い理由の一つに郊外に出店しているということが挙げられる。郊外型店舗のため、ドライブスルーを利用すれば感染のリスクを下げることにつながると考える向きが多いようだ。

客足が減らなかったのはそうした立地的要因が大きい。次に紹介する2社に比べると好調な成績を残している。

吉野家はコロナ前の水準に戻れず

吉野家ホールディングス<9861>の2022年度第二四半期売上高は前年同期比9.4%減の742億7,900万円。減収ではあるものの、営業利益・経常利益、純利益ともに黒字に転じた。

なおグループ会社の京樽は2021年4月1日をもって譲渡完了しており、連結決算からは除外されている。こちらは減収の要因の一つだ。

ただ、営業時間短縮や休業などの反動に加え、海外の既存店売上高が堅調に推移。京樽の影響を考慮すると、増収とも考えられる。

吉野家はオフィス街など、人が集まる場所への出店が多い。すき家とは逆にコロナ禍のリモートワークの影響により客足が遠のいたカタチだ。

松屋も営業利益ベースで赤字

松屋を運営する松屋フーズホールディングス<9887>の2022年度第二四半期売上高は451億7,300万円、前年同期比0.5%と上昇したものの、営業損失は21億3,600万円。前年同期よりわずかに減らしたものの赤字の状態が続いている。経常利益・純利益は黒字に転じた。

2023年度に向けて、売上高は徐々に回復すると見込まれている。

牛肉の値上げも牛丼業界を直撃

牛丼チェーンは、郊外に出店を進めていたゼンショーが独り勝ちの状態である。2022年度の決算では、吉野家は黒字転換を予想しているが、松屋は厳しい状況となっている。

また、アメリカ産牛肉の値上げにより原価も上がっている。吉野家と松屋は今秋に商品価格を値上げした。各社生き残りをかけた対策が必須となっている。

文・勝目麻希

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