23日の米ダウ平均株価は前日比39.44ドル高の23515.26ドルで引けた。24日の日経平均株価は反落し前日比167円44銭安の1万9262円00銭で引けた。

新型肺炎コロナウイルス感染に対する抗ウイルス薬として、米ギリアド・サイエンシズが開発している「レムデシビル」が中国での初期臨床試験に失敗したとの報道が重しとなった。

市場関係者によると、来週の日本株は、大型連休ゴールデンウイーク入りを控えてポジション(持ち高)調整の売りが出やすく、週後半は上値の重たい展開が見込まれている。

来週の日経平均株価は1万8500円~1万9500円のレンジ予想

SMBC信託銀行の佐溝将司マーケットアナリストは24日、ZUU onlineとの電話インタビューで、「きょうの下げは米ギリアドのレムデシベルの有効性で治験失敗との報道が重し。世界的に薬・ワクチンへの期待が高まったが、はく落した」と指摘。来週については、「日本は大型連休入りで、いったんポジションを外したい投資家が多い。日米株は3月安値から戻しており、手じまい売りが出やすい。週末にかけて上値が重くなる展開ではないか」と予想している。

来週の日経平均株価は1万8500円~1万9500円のレンジを見込んでおり、「1週間前に2万円を試す場面があったが、滞空時間は長くなかった。上値は1万9500円あたりが抵抗線になる。下値は、1万9000円は固いが、大型連休を意識した売りが出ると思う」と述べた。

欧米の経済活動再開期待と原油下振れリスクが綱引きに

同氏は、「欧米の一部で、経済活動の再開や正常化への期待感が強く、株にポジティブ要因。半面、原油は急落した後に戻したが、再度下げるリスクがある。原油下振れリスクと一部の欧米経済再開との綱引きになりそう」と説明した。

また、新型コロナ治療薬・ワクチンに関しては、「副作用など治験をこなさないといけない。市場は半信半疑で結論は出ないとの見方が多い。薬・ワクチンに期待するにはまだ早いとの見方」と述べた。

日本銀行は27日に金融政策決定会合を開く。佐溝氏は、国債購入を無制限にする、コマーシャル・ペーパー(CP)・社債購入を拡大するなどの報道に言及した上で、「市場は反応していない。景気悪化のスピードをくい止め下支える材料にはなるが、押し上げる材料にはならない。影響は限定的だと思う」と述べた。

同氏は、「国債購入を無制限にしても、現状とあまり変わらない。現状は年80兆円めどとしているが、20兆円にも達しておらず、下方にかい離している。制限を取っても大きく変わらず、影響はないと思う。CP・社債購入拡大は資金繰りの厳しい中小企業を支える政策」と分析した。

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文・池田 祐美/提供元・ZUU online
 

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