低塩分トラフグ陸上養殖
壱岐は養殖ふぐで有名です。壱岐のふぐ養殖で特徴的なのは、海上養殖ではなく、陸上養殖(世界初の技術)という形式をとっている点です。普通、養殖というと、海の上に柵で囲いを作り、その中で魚を育てるというイメージですが、陸上養殖とはどういうことなのでしょうか。なぜ陸の上で魚を養殖することができるのでしょうか?壱岐の陸上養殖のキーワードは「低塩分」「地下水」です。
海水の塩分濃度は3・5%です。しかし、研究によって、塩分濃度約1%の環境下で育てる方が魚がよく育つ(約2倍のスピードで大きくなる)ことがでわかったそうなのです。塩分約1%とは、人間の体液や赤ちゃんが育つ羊水と同じです。一番ストレスが少なく育つことができるのです。
魚は、エラ呼吸で海水を3.5%から約1%にして体内に取り入れているそうです。水の塩分が薄ければ、この濃度変換の働きをしなくてよいので、魚の体への負荷が減り、育つスピードが約2倍早くなることがわかったのです。
さらに低塩分の水で育てた後、3.5%の海水に戻してやると、魚の体内でアミノ酸が増し、旨み成分が増すこともわかったそうです。
陸上で育てるために、水は地下水70mからくみ上げた水を使います。地下水は雑菌が少ないので、衛生上も理想的だそうです。
ふぐ陸上養殖を行っている株式会社なかはらの濱中場長は「これからの魚の養殖は低塩水育成法が主流になるのではないか」と仰っていました。
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<株式会社なかはらのふぐ養殖水槽>
ビューホテル壱岐での食事
ビューホテル壱岐は、郷ノ浦港沿いに立つホテルです。今回はここに泊まりましたので、実際に食べた夕食と朝食をご紹介しましょう。【夕食】

<前菜(希少海藻(あまも)とさか、壱岐産とらふぐの玉子焼き、焼きむつ、真珠貝の酒粕漬け)>
海藻とさかが、初めての食感でした。きくらげと生さしみこんにゃくのようで、お酒のつまみにぴったりの珍味です。むつはふっくらむっちり肉厚。真珠貝も初めて食べましたが、しこしこしていて美味でした(真珠貝って食べられるんですね~)

<お造り(天然ひらめ、やいと鰹、かんぱち、水いか)>
いかは11月から甘みが増してくるそうで、ねっとりした旨味が口の中に広がります。やいと鰹はトロのように脂がのっています。

<焼き物(鮑とひおうぎ貝のバター醤油串焼き)>
淡泊な味が続いていましたが、これは甘辛くお酒にぴったりの深い味。これも食感はぷりぷりです。(ほぼすべての食材がぷりぷり笑)

<揚げ物(キジハタ甘酢あん姿揚げ)>
キジハタとはアラ類の魚。こっくりと甘い味つけで個人的に大好きな味でした。お皿に取り分けたのがこちら。


<壱岐牛煮込みシチュー(オリジナルデミグラスソース)>
濃厚な料理が続きますが、それほどくどくはありません。壱岐の麦焼酎が進みます。ミネラル豊富な牧草を食べて育った壱岐牛。あの京都「葵まつり」の先頭をひっぱっているのが壱岐牛だそうです。壱岐の牛は力も強いのでしょうか。

<うっかりカサゴの味噌ちゃんこ(あらかぶ、鶏つみれ、季節野菜、麺)>
うっかり八兵衛ならぬうっかりカサゴ。
"うっかり~"という面白い名前の由来は、「カサゴとの違いに気がつかず、うっかりしていた」ことに由来しているようです。うっかりカサゴはカサゴ目メバル科に属する海水魚で、カサゴによく似ていますが、異なる種。一般的には、カサゴと区別されずに流通している魚類学者・安部宗明氏が和名を整理していたところ、カサゴとよく似たルックスのため、同じ種類だと勘違いしたそうです。

<地魚の茶漬け(漬けイサキ)>
どれだけ料理が出るのか~と思うほどのボリュームでしたが、ご飯もこの豪華さです。

既にお腹もかなり膨れていますが、さらさらっと食べられます。

<自家製プリン(ビューホテル社長の趣味で飼っている日本蜜蜂のはちみつ。自家栽培のブルーベリージャム)>
ホテル社長の趣味で飼っているらしい日本蜜蜂が集めてきたはちみつ。最後のデザートまでこだわりがあります。あ~お腹いっぱい!
翌日、朝風呂を浴びてさっぱりして朝食会場に向かったら・・・

食事会場の入り口で、炭火で魚の干物が炙られていました。

<ビューホテル壱岐の朝食>
どうですか、朝からこの豪華さです。ごはんのお供が満載で、「ごはんたくさんお代わりしてね」といわんばかりのメニューです。
宿に泊まった時、夕食はもちろんそうですが、朝食が満足いくものだとその宿への印象がすごくよくなりますよね。ここ壱岐ビューホテルはそんなホテルでした。ツアーに参加したお客さんの食事アンケート評価が高いのも納得です。
市場の隣にある「かもめの朝ごはん」
「市場に出ないような無名で小さい魚を美味しい食べ方とともに」これが郷之浦港の市場食堂「かもめの朝ごはん」のコンセプトです。もともと港には朝ごはんを食べる場所がなかったため、市場で働く人や観光客向けにこの食堂を開店したそうです。
<かもめの朝ごはんの外観>

<かもめの朝ごはんの内観>
思ったよりぐっと清潔で、こういっちゃ大変失礼ですが、市場食堂っぽくないきれいな食堂でした。

こちらが朝定食なんと700円。ごはんおかわり自由です。昼食はバイキングで800円だそうです。安っ!私が訪れた時も、市場で働いていそうな若い兄ちゃんがワシワシとごはんを掻きこみ、「すんませーん、おかわり~!」って言ってました。(会社の近くに欲しい!)