弁護士直伝!契約書を上手に読むためのポイント
ぽな:契約書を頑張って読む重要性はよくわかりました。でも、漢字や専門用語が多くて(以下略)という方もいると思うんですよね。そういう方たちのために、契約書を読むときのポイントについてお伺いしたいんですが……。
河野:
これは、もう表題を見て、大事そうなところだけを読むとかでもいいんじゃないかなあ。
ぽな:
その「重要そうなところを見極められない」という悩みも多いんですよね……。
河野:
まさにそこは最初の方で申し上げた話で。まずは「報酬関係」と「仕事内容に関する事項」、そして「納品物の権利の帰属先」。この3点が、まず見るべきポイントになります。ただ、100%内容が明確な契約を作るのは難しいので、どうしても曖昧な部分は残ってしまいます。
で、ここからが契約書を読むときのコツみたいな話になってくるんですけど。これまで自分が生きてきて出会った人の中には、性格の悪い人、弁護士のように屁理屈をこねたがる人っていると思うんですよ。そういう人が相手だと思って読めば、だいたい間違えないです(笑)。
ぽな:
曖昧なところがあると、すかさずつっこまれるぞと。
河野:
文言に何か不明確なところがあると、「あの人ならここにイチャモンつけてくるかもしんねえな」とか(笑)。
ぽな:
リアルな情景が目に浮かぶようです……。あの、それでですね、先生。我々面倒くさがりなフリーランスとしては、「ここだけ読んでおけ契約書○○選」みたいな契約書をラクに読むためのライフハックを切実に求めているわけなんですけれども、正直そういう裏ワザってないんですか?
河野:
いやあ、ないんですよね、これが。だって、ライフハック的な情報を出しちゃったら、その裏をかこうとする人が出てきちゃいますから。ライフハックに載っていないところに、何か変な条項を入れるとかね。だから、むしろライフハックなんてない方がいいんですよ。
ぽな:
なるほど……ライターとしては残念がるべきなのかもしれませんが、個人的には納得感しかないです。結局、人生諦めが肝心ということで……。
フリーランスとして生きるということ
「契約書を読みやすくするコツはあるものの、お手軽なライフハックはない」「ライフハックを出すと、その裏をかかれてしまう」
お話を伺ってみて、契約の世界は甘くないな、と改めて思わされました。
ただ、こういった面倒さを潔く引き受けるのがフリーランスなのかな、と、筆者自身は妙に納得しているところもあります(異論もあると思いますが)。
自分の権利は自分で守る、という意識を持ち、これからもしたたかにサバイバルしていこうと思います。
(執筆:ぽな 編集:少年B 協力:河野冬樹弁護士 イラスト:はこしろ)
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