6日の米国市場でダウ平均株価が7%超高と急反発した流れを引き継ぎ、7日の日経平均株価は3営業日続伸。前日比373円88銭高の1万8950円18銭で引けた。
市場関係者によると、欧米の一部で新型肺炎コロナウイルス感染者数の拡大ペースが鈍化したことに加え、日本の大規模経済対策の報道などを背景に、日経平均株価は3月25日に付けた直近高値が今週の上値めどとして意識されているという。ただ感染状況が国によって異なり、不透明感が強く、株価は下げ局面の中での戻り相場との声が聞かれた。
今週中の上値めどは3月25日の直近高値1万9564円38銭程度
三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは7日、ZUU onlineとの電話インタビューで、日本株の大幅続伸について、「米国のニューヨーク州や、イタリア、スペインなどでの新型肺炎コロナウイルスの感染者数の拡大鈍化がテーマ。一方向の下げ相場が続くものではないので、スピード調整に過ぎない。下げ局面の中での戻り相場ではないか。今週中の上値めどは3月25日に付けた直近高値1万9564円38銭程度」と説明した。
各紙報道によると、安倍晋三首相は6日、新型コロナウイルス感染拡大への対応として、緊急事態宣言と同時に、事業規模108兆円の経済対策を実施する方針を表明した。
大規模経済対策も効果が出るのは新型コロナ封じ込め後
宇野氏は、「景気後退懸念に対応して、財政・金融政策を打っても、効果が出るのは、新型コロナの封じ込め後だろう。政策で手当しても新型コロナの影響がなくなる訳ではなく、景気後退を止めることはできないと思う。今後の各国の経済指標で確認していくことになるだろう」と述べた。
またシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデックス(VIX指数)は低下したものの、依然、高水準にあると分析し、「すぐに全て解決するという問題ではない。株価の戻りが続くかは、新型コロナの封じ込めができるのか、感染者数の動向次第」と述べた。
同氏は、「感染を繰り返して増える可能性もあり、傾向として減少しているのかを確認するには、日数が経ないと分からない。国ごとで鈍化の状況は違う。今からピークを過ぎて、秋ごろの状況を織り込むのは難しい」と語った。
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文・池田 祐美/提供元・ZUU online
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