新型肺炎コロナウイルスによる景気への悪影響を背景に、市場では、4月1日発表の日銀短観調査や4月3日発表の米雇用統計の悪化が見込まれており、日本株やドル・円は当面、下値模索の展開との声が聞かれた。30日の金融市場で日本株は大幅反落。ドル・円相場は1ドル=107円台にドル安・円高が進行している。
三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは30日、ZUU onlineとの電話インタビューで、「各国の経済指標は悪い数字が出ることで大差ない。日銀短観や米雇用統計などを受けて景気後退との認識になりそう。日本株、ドル・円、日米金利は、目先は下値を試す時間帯だろう。直近下値に戻す方向」と予想。「米国は、4月中は自粛で少なくとも1か月は経済活動が停滞する見込み。新型肺炎コロナウイルス感染報道をみると、3―6か月で済む話ではなく、半年から1年はかかると思う」と語った。
今週の日経平均株価の下値めどは1万6500円程度か?
同氏は、日本株について、「前週末の米国市場の流れを引き継いだ。今週の日経平均株価の下値めどは1万6500円程度。24、25日の大幅上昇分が剥落し、23日安値1万6480円に戻る水準。日銀の上場投資信託(ETF)買いや年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と思われる買いの動きから需給引き締まりによる支えはあるが、景気後退の中での株高はおかしい。景気見合いの水準に戻るだろう」と説明した。
ドル・円相場に関しては、「米指標の弱さから米金利低下に連動し、ドル売りに戻っている。米連邦準備制度理事会(FRB)など各国中央銀行によるドル供給も奏功し、100―105円レンジへ戻る見通し」と指摘。「日米金利は20日以降ピークアウトしている。日銀短観や米雇用統計も日米金利低下を促すだろう」と述べた。
同氏は、今週の日経平均株価先物は1万6500円~1万9000円程度、ドル・円相場は105円75銭~108円75銭程度、日本の10年債利回りはマイナス0.015~プラス0.145%程度のレンジを見込んでいる。
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文・池田 祐美/提供元・ZUU online
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