24日の米国市場でダウ平均株価は前日比2112ドル98セント(11.4%)高の2万704ドル91セントと過去最大の上げ幅で引けた。25日の日本市場で日経平均株価は一時1000円超の大幅続伸となった。ドル・円相場は1ドル=111円台で推移している。
市場関係者によると、新型肺炎コロナウイルス対策として、大規模な米経済対策の法案成立期待を背景に、リスクオン(選好)の動きになっているという。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの押久保直也シニアエコノミストは、「米財政政策の決着を25日中に付けるとの報道を受けて、期待感から米国株が上昇し、リスクオンの流れとなり、日本株もショートカバーが入り上昇している。政策が出揃って下値は固い。リスク資産は売られ過ぎた分の巻き戻しの動きとなっている」と指摘。「日経平均株価は2万円の大台乗せが心理的な節目になるだろう。ドル・円は2月に付けた112円台乗せが上値抵抗線になると思う」と述べた。
日経平均株価は2万円台、ドル・円は112円台乗せ試す
米連邦準備制度理事会(FRB)が23日に無制限の量的緩和(QE)実施を決定したことに続き、米議会では約2兆ドルに上る経済対策を巡る協議が続いている。
押久保氏は、新型肺炎コロナウイルスの感染拡大を背景に、「これまで不動産投資信託(REIT)や金まで投げ売りとなったが、底入れ感が出てきて戻ってきている。売られ過ぎた米国株はバリュエーションから値を戻してきた。またドル・円はこれまで現金化の動きからドル高だったが、足元ではリスクオンの円安圧力が強まり、上値を試す動きになっている」と述べた。
もっとも、日経平均株価が2万円、ドル・円が112円の節目を大きく超えて上昇するには、「新型肺炎コロナウイルスの感染ペース鈍化という明確な材料が必要になる」とも語り、大台の回復が目先の上値めどで、その後の上昇余地は限られそうとの見方を示した。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、全世界の感染者数は25日時点で40万人を超えた。安倍晋三首相は24日、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と電話協議し、今夏の東京オリンピック・パラリンピックを1年程度延期することで合意した。
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文・池田 祐美/提供元・ZUU online
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