新型コロナウイルスの勢いが止まらない。3月11日現在、中国での感染者数は8万人以上となり、イタリアや韓国などでも感染者数が増え続けている。感染による死者は全世界で4000人を超え、日本国内でも12人が命を落としている。目に見えないウイルスとの戦いは、まさに出口の見えない長期戦になりそうだ。
新型コロナウイルスの本当の危険性とは
新型コロナウイルス(COVID-19)感染症は世界で猛威を奮っています。しかし、その後感染者数は指数関数的に増加し、WHO(World Health Organization:世界保健機関)によれば現時点(2020年3月6日)では95000人以上になっており、79の国に広まっています。このような状況を受けて、世界の株価は暴落しました。
季節性インフルエンザと比較すれば、新型コロナウイルスは大したことはなく、過剰反応だと捉えている人たちは少なくありませんが、実際に比較してみると実は新型コロナウイルスの方が危険であることがわかります。暴落している株式市場を冷静になって観察するには、まずそのウイルスについて正しい情報を得ておく必要があります。
(中略)
致死率は 新型コロナウイルスの方が高い
新型コロナウイルス感染症で亡くなった人はいまのところ世界で約3200人である一方で、インフルエンザの場合は毎年数万人以上の人が世界中で亡くなっています。
ただし、危険性を評価するには致死率で比較する必要があります。
WHOによれば、新型コロナウイルスの致死率は3.4%であるのに対してインフルエンザのそれは0.1%です。
その差は34倍です。ちなみに日本でのインフルエンザの致死率は0.001%です。
ただし、それらの数値には感染していても検査が行われていないケースなどは除外されていることに留意しておく必要があります。
詳しくはこちら。
>危険性が高い新型コロナウイルスCOVID-19 の世界的流行は長期化するかもしれない(2020/03/08公開)
国内に広がる影響 飲食店や就活にも
新型コロナウィルスの影響が日本国内で広がる中、すでに多くの飲食店の売上は激減、観光業への打撃もかつてない事態となっており各地で客足が著しく落ち込んでいる。中国に生産拠点を持つ多国籍企業への影響も深刻だ。新型コロナウィルスは各業界にどのような影を落としているのだろうか。
飲食・フード産業特化型の求人サイト「クックビズ」が2020年2月18日に発表した「全国の飲食店へ新型コロナウィルスについての実態調査」では、店舗の売上について「大きな影響が出ている」「多少の影響が出ている」と答えた飲食店が合わせて51.0%に上っている。また「今後、多少影響が出そうだ」と答えている店舗も20.0%である状況だ。
(中略)
観光業や飲食業を含む日本企業への影響が甚大なものになりつつあるが、その影響は売上減だけに留まらない。企業の採用活動にも支障が出てきた。就職情報サイト大手マイナビは2020年2月26日、同年3月1~15日に開催予定だった合同企業説明会の中止を発表している
詳しくはこちら。
>新型コロナの経済的影響は?株価は一時1,000円超下落、旅館が破綻、メーカー売上減などetc.(2020/03/08公開)
世界経済への打撃は不可避か
最近の見通し改定で注目点の1つは、新型肺炎コロナウイルスが封じ込められない場合、何が起こるかについての不確実性である。コロナウイルス拡散は、米国や大半の先進国の成長を妨げてはいないが、経済・債券市場・企業の収益見通しを変化させている。
米シュワブ・ファイナンシャル・リサーチ主任債券ストラテジスト、キャシー・ジョーンズ氏は、今年の米10年債利回りについて、従来予想していた2.25-2.50%へ上昇するのではなく、2%以下にとどまると予想している。
(中略)
現時点で、ウイルスは中国の成長を1%ポイント以上鈍化させ、4.5~5%程度にし、日本やその他のアジア諸国と香港の成長を鈍化させると予想される。昨年第4四半期の中国の国内総生産 (GDP) が年率6.3%へ急落したことを受け、日本が景気後退に陥るのではないかと懸念されている。
詳しくはこちら。
>新型肺炎コロナウイルスが世界の成長予測を下方修正、市場に打撃(2020/02/23公開)
スタバは中国の2000店舗を一時閉鎖に
世界規模で展開するコーヒーチェーン大手、スターバックスが大きな試練に直面している。後段で詳述するようにスターバックスの2019年10~12月期決算は増収増益となったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中国店舗の半数以上にあたる2000店以上を一時閉鎖すると発表、株価は低迷を余儀なくされている。
スターバックスに限らず、新型コロナウイルスの暗雲は株式市場全体に広がっており、NYダウは先週1週間で3500ドルを超える大暴落に見舞われるなど大混乱に陥っている。とはいえ、ウォール街の市場関係者は比較的冷静でアナリストの中にはスターバックスを前向きに評価する声も聞かれる。
詳しくはこちら。
>スターバックス、広がる新型コロナウイルスの暗雲 中国で2000店以上を閉鎖、業績への懸念も(2020/03/04公開)
パンデミック阻止に向けて動き出す国々
現時点においては終息のめどが立たないがゆえに、今後も各国でさまざまな対応が見られるだろう。ニューヨーク・タイムズ紙には、各国の反応を冷静かつ皮肉っぽく分析した意見が掲載された。
「コロナウイルス対策として実施されている国境閉鎖や旅行の制限といった措置は、表面的には医学的措置ではあるものの象徴的でもある。基本的な論理は、政治的理由から物理的な壁を建設することと大差ない。いずれも、偽りの安心感を市民に与えることが目的だ(スペイン・バスク大学イケルバスク研究のマイケル・マーダー教授)」
詳しくはこちら。
>「新型肺炎拡大が見せる世界のほつれ目」ー最新の海外報道まとめ(2020/03/06公開)
緊急事態への動きが加速
国内では新型コロナ特措法案が閣議決定されるなど、来るべき“緊急事態”に備える動きが加速している。世界規模でもパンデミックという最悪の事態を招かないために、各国で感染縮小に向けた対策が必死に行われている。コロナウイルスという人類共通の敵との戦いの先にあるのは、どのような未来だろうか。
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