くしゃみだけではない「ピペリン」の有用性

くしゃみの原因として紹介したピペリンですが、香辛料の持つ有用な効果の要因もピペリンが持っています。

ピペリンは毛細血管を広げて血流を良くし、エネルギー代謝を促進させます。また抗菌、防腐などの作用も持っています。

さまざまな化合物を持つコショウですが、ピペリンはその主役のようなものなのです。

また、コロナウィルスなどの影響で現在はくしゃみによる飛沫の広がりに関する研究も盛んに行われていますが、この実験の際、被験者にくしゃみを引き起こさせるために、科学者がピペリンを使ったりしています。

ただくしゃみが出るのを待っていては実験の完了に多くの時間がかかってしまうでしょう。意外な場所でもピペリンは活躍しているのです。

コロナ蔓延の時期に多用は避けたいところですが、くしゃみの誘発とともに香辛料のさまざまな魅力の主成分を持つのがピペリンです。正しく使って美味しい食事を楽しめると良いですね。

参考文献
Science abc

提供元・ナゾロジー

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