コショウの粉を吸い込んでくしゃみをするというのは、漫画などでおなじみの表現ですが、現実世界で実際に経験したことのある人も多いでしょう。

一体なぜ、コショウを吸い込むとくしゃみが出てしまうのでしょうか?

コショウとはなんなのか?

“コショウでくしゃみ”が出るのは、なぜ? その原因物質とは…
(画像=たわわに実ったコショウの実。 / Credit:sbfoods、『ナゾロジー』より引用)

コショウはコショウ科コショウ属のつる性植物の実をまるごと使ったり砕いたりしたもので、世界中ほとんどすべての料理に使われています。

シワシワな黒色の実というイメージが強いコショウですが、木になっているときはブドウのような房に付いた緑色の実をしています。これを長時間かけて乾燥させたものが、私たちの目にするシワの浮いた黒いコショウなのです。

コショウは大航海時代のきっかけにもなったスパイスで、有名なクリストファー・コロンブスもコショウを求めて西へ旅立ち、結果としてアメリカ大陸を発見しました。

コショウは植物ですが、その実の中には非常に多くの有機化合物が含まれていて、これまでに600近い化合物が黒胡椒から分離・同定されています。この多量の化合物が、独特の刺激の原因です。

そして、くしゃみ反射が誘発される原因も、この化合物の1つにあります。