「One Harmony VISA ゴールドカード」は、オークラ系ホテルやJAL系ホテルで便利でお得に使えるクレジットカードだ。このカードのメリット・デメリット、一般カードとの違いについてここで詳しく見ていこう。

目次

  1. 1,カードの基本スペックと審査基準――オークラ ニッコー ホテルズの提携クレジットカード
  2. 2,One Harmony VISA ゴールドカードの3つのメリット――ホテル特典・トラベル特典・付帯保険が充実する旅に強いカード
  3. 3,ポイントサービス、還元率――対象ホテルで超高還元率が可能
  4. 4,One Harmony VISA ゴールドカードの2つのデメリット――年会費とポイントサービス
  5. 5,One Harmony VISA ゴールドカードがおすすめなのはどんな人? オークラ ニッコー ホテルズ加盟ホテルの利用が多いなら

1,カードの基本スペックと審査基準――オークラ ニッコー ホテルズの提携クレジットカード

三井住友カードが発行する「One Harmony VISA ゴールドカード」は、オークラ ニッコー ホテルズのホテルで特典や優待が適用されるクレジットカードだ。ホテル利用をよりリッチでお得にしてくれるこのカードの基本スペックからまず見ていこう。

「One Harmony VISA ゴールドカード」の基本スペック……年会費、ポイント、付帯保険

国際ブランド VISA
年会費 1万1,000円(税込)
ポイントサービス One Harmonyポイント
通常ポイント還元率 0.625%
ポイント交換対象 ホテル宿泊代金に充当
部屋のアップグレード
ホテル共通宿泊券
空港ラウンジサービス 国内32空港+ハワイ・ホノルル
付帯保険 海外旅行傷害保険(自動付帯)
国内旅行傷害保険(自動付帯)
お買物安心保険
追加カード ETCカード
電子マネー 【カード別途発行】
iD
【Apple Pay・Google Pay・おサイフケータイ経由】
iD
(※三井住友カードのホームページを元に筆者作成)

審査基準・審査難易度……年会費350万円以上が目安

申し込み対象は「原則として、満30歳以上で、ご本人に安定継続収入のある方」となっており、アルバイトやパートは作れない可能性が高い。

審査条件は口コミ情報となるが、年収350万円以上、勤続年数3年以上で審査通過の可能性があるようだ。

年会費を下げる方法……4,400円まで安くなる

カード利用明細をウェブサイトで確認する「WEB明細」の利用により1,100円(税込)の割引が適用。また、自動リボ払いサービス「マイ・ペイすリボ」に登録の上で、年1回以上のリボ払い手数料の支払いがあると翌年の年会費が半額になる割引もあり、両方の割引が適用された場合、年会費は4,400円(税込)となる。

ステータス性……ゴールドの中でも比較的高いステータス性

三井住友カードが発行するゴールドカードという位置づけから、他社ゴールドと比較しても高めのステータス性を持つと考えていいだろう。ホテルオークラのイメージもステータス性を感じさせる一因となっている。

One Harmony VISA クラシックカードとの違い……特典面がより充実

一般カードに当たる「One Harmony VISA クラシックカード」との違いについて、ここで触れておこう。

One Harmony
VISA ゴールドカード
One Harmony
VISA クラシックカード
申し込み対象 原則として、満30歳以上で、
ご本人に安定継続収入のある方
満18歳以上で安定した
収入をお持ちの方(高校生は除く)
年会費(税込) 1万1,000円 1,375円
ポイント付与 2,000円(税込)
につき10ポイント
2,000円(税込)
につき5ポイント
※オークラ ニッコーホテルズでの
利用分のみ2,000円(税込)
につき10ポイント
入会ボーナスポイント 250ポイント進呈 500ポイント進呈
One Harmony会員特典
One Harmony
ロイヤルメンバー特典
空港ラウンジサービス
旅行傷害保険 海外最高5,000万円(自動付帯)
国内最高5,000万円(自動付帯)
お買物安心保険 年間100万円限度 年間300万円限度
(※三井住友カードのホームページを元に筆者作成)

まず異なるのがポイントの付与率。そして、オークラ ニッコー ホテルズのホテルで優待を受けられる「One Harmonyロイヤルメンバー特典」の有無となる。

その他、ゴールドでは空港ラウンジサービスなど三井住友カードが提供するゴールド向けのサービスを利用可能だ。また、クラシックカードにはない海外・国内旅行傷害保険もゴールドには付帯する。

2,One Harmony VISA ゴールドカードの3つのメリット――ホテル特典・トラベル特典・付帯保険が充実する旅に強いカード

「One Harmony VISA ゴールドカード」の主な3つのメリットを紹介しよう。

メリット1,ロイヤルメンバー資格によりレイトチェックアウトなどのホテル特典を利用可能

「One Harmony VISA カード」の会員には、オークラ ニッコー ホテルズの会員プログラム「One Harmony」の会員資格が付与される。

会員資格は「メンバー」→「ロイヤルメンバー」→「エクスクルーシィヴメンバー」の順でランクが高くなる。「One Harmony VISA ゴールドカード」の会員には、このうち「ロイヤルメンバー資格」が自動的に与えられる。なお、ロイヤルメンバー資格を取得するには通常、One Harmony 5,000ポイントを獲得するか10泊以上の宿泊が条件となる。

ロイヤルメンバーが利用できるホテル特典は次の通りだ。

特典名 *内容
ロイヤル会員料金 グレードの高い部屋に最安価格より
さらに15%オフで宿泊可能
客室ワンランクアップグレード 空室状況に応じて客室を
ワンランクアップグレードしてもらえる
(カード有効期限内に5泊分まで)
レイトチェックアウト 空室状況に応じ
レイトチェックアウトが可能。
宿泊ご招待クーポン 年間5万ポイント以上を獲得すると
「宿泊ご招待クーポン」が贈呈される
レストランご優待特典 オークラ ホテルズ&リゾーツの6ホテルの
レストランで5%または10%オフ、
ニッコーホテルズのレストランで
10%オフ、ホテルJALシティの
レストランで5%オフが適用される
バースデー特典 対象ホテルでスイートルームなどの
一室一泊が最安価格からさらに30%オフ。
さらに、対象レストランで
バースデーケーキやデザート
がサービスされる。
※通常は誕生日前後30日間の適用。
ただし、2021年中の誕生日に関しては
新型コロナウイルス感染症の
影響を考慮して、2022年3月31日
まで特典を利用できる
ボーナスポイント 宿泊利用に対するポイント
に25%分が上乗せされる
ボーナスマイル特典 JALマイレージバンク会員が
「ホテルマイル積算対象プラン
(J-SMARTプラン)」で
宿泊すると10%のボーナスマイルが
付与される
その他の特典 新聞無料サービス、クイックチェックインが提供。
またホテルによってはオリジナル特典として
アーリーチェックイン、ウェルカムドリンク、
ウェルカムフルーツ、ランドリーサービス、
館内施設利用(プール・スパ・ジムなど)
が提供される
(※One Harmonyのホームページを元に筆者作成)

いずれもオークラ ニッコー ホテルズのホテルを利用する機会が多い人には、メリットの大きな特典といっていいだろう。多くの場合、年に数回のホテル宿泊で十分に年会費以上の元が取れるはずだ。

メリット2,三井住友カードのトラベル特典で旅がもっと便利に 空港ラウンジサービスも利用可能

このカードでは、三井住友カードが提供するゴールド向けのトラベル特典・優待を利用できる。次にそれを紹介しよう。

特典・優待・サービス名 内容
宿泊予約サービス
「Relux(リラックス)」
最低価格保証額からさらに
初回7%オフ、2回目以降5%オフ
宿泊予約サービス
「Hotels.com」
セール価格からさらに8%オフ、
あるいは4%オフに加え「Hotels.com」の
リワード(10泊につき1泊が無料になる)を提供
Expedia 航空券+ホテル予約が
掲載価格から2,500円オフ
(5万円以上の場合のみ)
VJトラベルデスク 国内・海外パッケージツアーが
同伴者の分も含め基本代金から
最大5%オフ
VJシュープリーム・セレクション 大人の知的好奇心や遊び心をくすぐる
体験型の企画旅行や
日本の文化や美術に触れる旅を提供
空港ラウンジサービス 国内32空港+ハワイ・ホノルルの
空港ラウンジを無料で利用できる
海外レンタカー優待 ハーツレンタカーで10%オフ、
バジェットレンタカーで最大15%オフが適用。
ハーツレンタカーでは運転免許証
翻訳フォームを発行する
サービスも提供される
ハーツGoldプラス・リワーズ ハーツレンタカーが提供する
メンバーシップサービスに年会費
永年無料で入会できる
空港サービス優待 空港宅配15%オフ、
手荷物預かりサービス・コート預かりサービス15%オフ、
レンタルモバイルサービスで
レンタル料50%オフ、
通話料15%オフが適用される
(成田国際空港・羽田国際空港・
関西国際空港・中部国際空港)
スーツケース
レンタルサービス
スーツケース
レンタルが15%オフ
海外おみやげ品宅配サービス 出発前に選んだお土産を帰国時に
合わせて自宅に届けてもらえるサービスを利用できる
(※三井住友カードのホームページを元に筆者作成)

いずれも旅行を便利にお得にしてくれる特典・サービスであり、有効に活用できればカード年会費以上のメリットとなるだろう。

なお、トラベル関連以外で特筆したいのが、医師・保健師・看護師などの医療専門スタッフに年中無休24時間、無料で医療電話相談ができる「ドクターコール24」だ。国内からの利用のみとなるが、病院では相談しにくいような健康に関するささいな不安にも応えてくれるサービスとして、いざというときの安心につながるだろう。

メリット3,最高5,000万円の海外・国内旅行傷害保険が付帯 家族特約付きで家族旅行も安心

このカードには海外・国内旅行傷害保険とお買物安心保険(ショッピング保険)が付帯する。その詳細をここで紹介しよう。

・旅行傷害保険……海外・国内とも最高5,000万円補償

最高5,000万円の海外・国内旅行傷害保険が付帯。いずれも旅行代金のカード決済の有無にかかわらず付帯する「自動付帯」となる。ただし、「傷害死亡・後遺障害」はカード決済の有無により最高補償額が異なる。

なお、海外旅行傷害保険には、19歳未満の家族にも保険が適用される「家族特約」が付いているので家族旅行にもメリットが大きい。

海外旅行傷害保険

保険項目 保険金額
(本会員・家族会員)
保険金額
(家族特約対象者)
傷害死亡・後遺障害 最高5,000万円
※旅行代金のカード決済がない場合、
最高1,000万円
最高1,000万円
傷害治療費用
(1事故の限度額)
300万円 200万円
疾病治療費用
(1疾病の限度額)
300万円 200万円
賠償責任
(1事故の限度額)
5,000万円 2,000万円
携行品損害
[自己負担:1事故3,000円]
(1旅行中かつ1年間の限度額)
50万円 50万円
救援者費用
(1年間の限度額)
500万円 200万円
(※三井住友カードのホームページを元に筆者作成)

国内旅行傷害保険

保険項目 保険金額
傷害死亡・後遺障害 最高5,000万円
※旅行代金のカード決済がない場合、
最高1,000万円
入院保険金日額 5,000円
通院保険金日額 2,000円
手術保険金 最高20万円
(※三井住友カードのホームページを元に筆者作成)

・お買物安心保険(ショッピング保険)……年間300万円限度

カードで購入した商品の破損・盗難による損害について、購入日およびその翌日から90日間、300万円を限度として補償される(自己負担額1事故3,000円)。

3,ポイントサービス、還元率――対象ホテルで超高還元率が可能

このカードは、クレジット利用などで付与されるポイントが三井住友カードの一般的なカードとは異なっている。ポイントサービスの概要を次に紹介しよう。

たまるポイントと還元率……還元率は0.625%

たまるポイントは「One Harmonyポイント」で、クレジット支払い2,000円(税込)ごとに10ポイントが付与。4,000ポイントで5,000円分のホテル利用券に交換できることから計算して、還元率は0.625%と考えていいだろう。ポイントの有効期限は最長25ヵ月。

たまるポイント One Harmonyポイント
ポイントのたまり方 2,000円(税込)ごとに10ポイント付与
通常還元率 0.625%
有効期限 最長25ヵ月
(※One Harmonyのホームページを元に筆者作成)

ポイントの交換対象……ホテルでの利用がメイン

ポイントは対象ホテルの宿泊、部屋のアップグレード、ホテルでの各種サービス(朝食など)、各種商品、ホテル共通利用券などに交換できる。

そのうち「オークラ ニッコー ホテルズ 共通ご利用券」は、4,000ポイントで5,000円分のホテル利用券に交換できる。また、「ウォール・ストリート・ジャーナル」デジタル版の購読クーポン1年分に2,000ポイントで交換することも可能だ。

基本的には、対象ホテルで使う前提のポイントと考えればいいだろう。

ポイントアップの方法……対象ホテルでの宿泊・レストランの利用

このカードでは、入会時にボーナスポイントとして500ポイントが進呈される。

オークラ ニッコー ホテルズの国内ホテル・レストランでカードを利用すると、より多くのポイントを獲得できる。それらの利用は通常のクレジット利用ポイントに加え、次のポイントが付与される。

宿泊利用 レストラン利用
1,000円(税・サ別)の利用につき 20ポイント付与 10ポイント付与
(※One Harmonyのホームページを元に筆者作成)

さらに、このカードではボーナスポイントとしてそこに25%分が加算される。

そこで、例えば対象ホテルに3万9,000円(税・サ別)で宿泊した場合、クレジット利用ポイントと合わせて合計990ポイントを獲得できることになる。これはポイント還元率で約3%に相当し、超高還元率といっていい水準だ。

ボーナスポイント対象となるホテルも参考として紹介しておこう。

ホテル
オークラ札幌
JRタワーホテル
日航札幌
ホテル日航
ノースランド帯広
ホテルJAL
シティ札幌 中島公園
ホテルJAL
シティ青森
ホテルJAL
シティ仙台
ホテル
日航つくば
ホテルJAL
シティつくば
ホテルオークラ
東京ベイ
オークラ
アカデミア
パーク ホテル
オークラ
千葉ホテル
グランド
ニッコー東京ベイ
舞浜
ホテル日航成田 The Okura Tokyo ホテル
イースト21東京
フォレスト・
イン 昭和館
グランドニッコー
東京 台場
ホテル日航立川
東京
ホテルJALシティ
東京 豊洲
ホテルJALシティ
羽田 東京
川崎日航ホテル ホテルJALシティ
関内 横浜
ホテル
オークラ新潟
ホテル
日航新潟
ホテル
日航金沢
ホテル
鹿島ノ森
ホテル
JALシティ長野
オークラアクト
シティホテル浜松
ニッコースタイル
名古屋
ホテルJA
Lシティ名古屋 錦
京都ホテル
オークラ
ホテル日航
プリンセス京都
ホテル日航大阪 ホテル日航関西空港 ホテルオークラ神戸 ホテル日航姫路
ホテル日航奈良 ホテル日航高知
旭ロイヤル
ホテルオークラ福岡 ホテル日航福岡
ホテル
オークラJRハウステンボス
ホテル日航
ハウステンボス
ホテルJALシティ長崎 ホテル日航熊本
ホテル日航大分 オアシスタワ ホテルJAL
シティ宮崎
SHIROYAMA
HOTEL kagoshima
ホテル日航アリビラ/
ヨミタンリゾート沖縄
ホテルJALシティ那覇
(※三井住友カードのホームページを元に筆者作成)

以上のことから、通常のカード利用ではそこまで高いポイント還元率ではないものの、オークラ ニッコー ホテルズの国内ホテル利用時には超高還元率となるカードといっていいだろう。

4,One Harmony VISA ゴールドカードの2つのデメリット――年会費とポイントサービス

このカードのデメリットとして次の2つを挙げておこう。

デメリット1,年会費が比較的高額

ゴールドカードということもあり、年会費は比較的高額に設定されている。先に説明したように、自動リボ払いサービス「マイ・ペイすリボ」の登録と利用で年会費を大幅に下げることも可能だが、リボ払いは使いたくない人も多いだろう。

デメリット2,ポイントの利用対象が限られている

One Harmonyポイントは賞品への交換も可能とはいえ、基本的にはホテルでの利用が前提となる。そのため、オークラ ニッコー ホテルズのホテルをあまり利用しない年があると、ポイントの獲得や利用の点でお得ではないカードになる。せっかくのホテル関連特典も有益に活用できない。

5,One Harmony VISA ゴールドカードがおすすめなのはどんな人? オークラ ニッコー ホテルズ加盟ホテルの利用が多いなら

ここまで見てきて分かるように、このカードはオークラ ニッコー ホテルズをよく利用する人向けのカードであることは確かだ。そうした人には非常にメリットの多いカードであり、年会費以上のメリットがもたらされるといっていいだろう。

国内空港ラウンジサービスや旅行関連サービスも充実していることを考えると、国内旅行が多く、その際に対象ホテルをよく利用する人におすすめの1枚だといえる。

モリソウイチロウ
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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