リカバリーモードで一か八かiPhoneを初期化!
これまでの被害だけでも、かわいそうすぎるAさんだが、もうひとつ気になることがあった。それはiPhone本体のことである。Apple IDを乗っ取られたiPhoneは、初期化できないので中古品として売却することもできない。もはや、ただの文鎮になってしまったのだ。
だが、Aさんはネットで調べた結果、iPhoneのリカバリーモードを使って初期化する方法を見つけた。操作方法はいたって簡単だ。iPhone本体のボタンを押しリカバリーモードを起動させ、iTunesの「復元」ボタンをクリックするだけ。ものの数分で、乗っ取られたApple IDとサヨナラし、新しいApple IDでiPhoneが使えるようになったそうだ。
当然、iPhoneを初期化するのでバックアップは必要だが、乗っ取られたApple IDでダウンロードしたアプリは、新IDで引き継ぐことはできず、旧IDのiCloudへバックアップしても意味がない。必要なアプリは事前にiPhone以外の端末にメモしておき、新IDを取得したところで、ひとつずつ手動でインストールするしかないのである。ただし、リカバリーモードでの初期化は失敗する可能性がゼロではない。必ず自己責任で行ってほしい。


恐怖! 旧Apple IDでまだ買い物が続けられている……
とりあえず、やれることをすべてやったAさん。あとは、Apple IDを奪還するまで3カ月間待つしかない。だが、恐ろしいことにAさんが手放したApple IDは、どこかの国の誰かがいまだに使っているという。実は、Aさんのところには、乗っ取られたApple IDを登録したGメールに、アプリの購入履歴が2日に1度のペースで届いているのである。Aさんは不安になり、Appleのサポートセンターにこの件を問い合わせたところ、乗っ取った詐欺師が自分のクレカを登録して使用しているとのことだった。そのクレカも誰からから盗んだものかもしれないが、この詐欺師がAさんの旧Apple IDで遊びつくしたら、また別の詐欺師に転売され、最後はフィッシング詐欺をするためのアカウントとして使われるのかもしれない……。このように、Aさんはいまだにフィッシング詐欺の恐怖に怯えているのである。

いかがだろうか? 実はオトナライフでは、今回Aさんが被害に遭ったフィッシング詐欺によく似た手口をすでに紹介していた。Windowsパソコンならこの手のフィッシング詐欺サイトが開く前に、Chromeで真っ赤な警告画面が表示されるため、被害に遭う人などいないと思っていた。だが、今回のケースはiPhoneのSMSから直接Safariが起動したため、警告もなくフィッシング詐欺サイトが表示されてしまったのだ。いずれにせよ、SMSやメールのURLリンクは、常にフィッシング詐欺の可能性を疑う癖をつけておこう。Aさんのような恐ろしい目に遭いたくなければ……。
文・すずきあきら(編集・ライター)/提供元・オトナライフ
【関連記事】
・ドコモの「ahamo」がユーザー総取り! プラン乗り換え意向調査で見えた驚愕の真実
・【Amazon】注文した商品が届かないときの対処法を解説!
・COSTCO(コストコ)の会員はどれが一番お得? 種類によっては損する可能性も
・コンビニで自動車税のキャッシュレス払い(クレカ・QRコード決済)はどの方法が一番お得?
・PayPay(ペイペイ)に微妙に余っている残高を使い切るにはどうすればいいの!?