コスプレをネットで公開すると著作権侵害に!?

同人イベントではコスプレイヤーの写真を撮影するカメラマンも多い。いい写真が撮れればその写真をネットにアップロードしたくなるだろう。だが、これは2つの意味で問題になる場合がある。
まず、コスプレイヤーには肖像権があり、勝手に写真をネット上に公開されない権利がある。中には家族や友だちには内緒でコスプレしている人がいるかもしれない。撮影した写真を公開していいかどうか、必ず本人に許可を受ける必要がある。次に、著作権には「公衆送信権」も含まれているため、コスプレ写真をネットなどで公開してしまうと「私的範囲」を超えてしまう可能性が出てくる。ただし、これはあくまでも法律的解釈であり、実際には問題になる可能性は低いのだ。その理由とは……。

コスプレが違法になる? 「コスプレ著作権ルール化」とはなに?
(画像=Image:mentatdgt / Shutterstock.com、コスプレイヤーの写真には肖像権がある。コスプレイヤー本人の許諾を受けずに、写真を勝手にネットで公表するのは絶対にやめよう、『オトナライフ』より引用)

曖昧なままにしておくほうがいいことも…… 

厳密に法律的な解釈をすると色々と問題がありそうなコスプレが、長年同人イベントなどで楽しまれてきたのには理由がある。それは、著作権が「親告罪」であることが影響していると考えられる。親告罪は、著作者が告訴しない限り問題にならないからだ。そもそもコスプレは、その作品のファンが楽しむものなので、作者が自分の作品を楽しんでいるファンにクレームをつけるとは考えにくい。つまり、現状のコスプレは著作者が“あえて見逃している”だけで、法律的にはともかく、非常に日本的な曖昧さの中でギリギリ成立しているものなのである。
おそらく井上大臣の発言は、この辺りの法整備を整えようという趣旨だったのであろう。だが、これまで法律ではなく“著作者の黙認”という形で守らてきたコスプレを、事情をよく分かっていない国が法律で縛るとやぶへびになりかねない。ネットで「国はコスプレに口を出すな!」と声を挙げている人たちは、この辺りの事情をよく分かっているがゆえに、下手にルール化されることを恐れているのである。

コスプレが違法になる? 「コスプレ著作権ルール化」とはなに?
(画像=Image:WildSnap / Shutterstock.com、誰でも好きなキャラに扮してハレの舞台で輝けるのがコスプレの醍醐味。この日本独自の文化を守るのは黙認か? 法律か?、『オトナライフ』より引用)

いかがだろうか? 現在はコロナ禍の影響で大型同人イベントも開催できない状況が続いているが、いつの日か自慢のコスプレをハレの舞台で披露する日がやってくるだろう。それまでの間、コスプレイヤーやそれを撮影するカメラマンなら、お互いのためにもコスプレにまつわる法律などを少し調べてみてはいかがだろうか? 

参考元:「コスプレ著作権ルール化へ 政府、海外展開を後押し」【共同通信】
参考元:「コスプレは「著作権侵害」になるの?「ルール整備」以前に押さえておきたい重要ポイント 福井健策弁護士が解説」【弁護士ドットコム ニュース】

文・オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ

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