そもそもコスプレって著作権侵害になるの?

井上大臣の「コスプレ著作権ルール化」発言を“国による規制”と捉えてた人も多いようだが、そもそもコスプレは著作権侵害に当たるのだろうか? 文化庁の「著作権制度の概要」によると、現在、著作権は以下のように規定されている。

【1】著作権:著作者に与えられる権利のこと
【2】著作者:著作物を創作した人のこと
【3】著作物:思想又は感情を「創作的」に表現したもの

つまり、人気キャラクターの衣装は上記の著作物に含まれるので、そこに著作権が発生する。当然、他人の著作物を勝手に使ったコスプレは著作権を侵害することになる。皮肉なことだが、衣装のデキが悪く誰も何のキャラクターか判別できない場合はセーフで、誰が見ても特定のキャラクターだと判別できるデキの良いものは著作権侵害に当たる可能性があるのだ。「じゃあコスプレは違法なの?」と思うかもしれないが、そう単純ではない。実は著作権法では「私的使用のための複製」が認められているので、個人的に楽しむだけならコスプレ=違法というわけではないのである。

コスプレが違法になる? 「コスプレ著作権ルール化」とはなに?
(画像=Image:MAHATHIR MOHD YASIN / Shutterstock.com、著作権法上では、誰かが創作した作品には著作権があり、それを侵害してはいけないことになっている。実はデキの良いコスプレであるほど、著作権を侵害する恐れがあるのは皮肉だが、いずれにせよ個人で楽しむ分にはあまり問題にならない、『オトナライフ』より引用)

営利目的じゃなくても著作権侵害に当たる場合も?!

最近は、メーカーが著作者に許諾を取って正式に販売されているコスプレ衣装もあるが、自作した衣装については注意したい部分もある。そもそも人気キャラクターの衣装を作ることは、許諾を受けないまま著作物を複製することになるので、自分で着て楽しむ分には私的利用の範疇だが、他人に貸したり販売すると著作権侵害に当たる可能性が出てくるのだ。自作したコスプレ衣装は自分で着るようにしよう。
もちろん、がんばってコスプレ衣装を制作すれば、同人イベントなどで披露したくなるだろう。だが、人前でコスプレを披露する行為については、専門家の間でも法的解釈が分かれており、100%合法とまでは言えないのが現状である。とはいえ、井上大臣の発言にもあるように、コスプレはもはや日本の文化となっており、「営利目的でない限りは私的利用の範囲に留まる」とする意見も多いのだ。

コスプレが違法になる? 「コスプレ著作権ルール化」とはなに?
(画像=Image:REDXIII / Shutterstock.com、現状では、同人イベントにおいて私的範囲(営利目的でない)でコスプレを披露するのは問題ないと解釈されることが多い、『オトナライフ』より引用)