今回の研究で、創造性が最も高いのは「完璧を目指す人(完璧主義者)」ではなく「完成を目指す人(完成主義者)」であることが示されました。
研究では完璧主義を「理想化された過度に高い基準を求める傾向」と定義する一方で、完成主義を「高品質で達成可能な基準を求める傾向」と定義しています。
そのため研究者たちは完璧主義は完成主義よりも過酷である一方で、不均衡・極端・不合理・不必要などネガディブな要素が存在していると述べています。
また仕事の完成よりも理想を求める完璧主義においては、創造性を犠牲に完璧さを求める傾向も見られるようです。
完璧主義は理想通りのものを実現させる原動力となるでしょうが、完璧を目指す過程で創造の余地や遊びを奪ってしまうようです。
一方で完成主義には完璧主義ほどの理想実現を追求する徹底さはありませんが、目的達成を第一とした柔軟さがあり、それがかえって創造性を開花させることにつながっていると考えられます。
もし漫画やイラスト、小説や作曲で悩んでいるなら、自分の理想を精密に実現しようという完璧主義からは離れて、完成のために柔軟に意見を変える完成主義に心を入れ替えてみるといいかもしれません。
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参考文献
Study suggests that striving for excellence — but not perfection — boosts creative performance
https://www.psypost.org/2022/06/study-suggests-that-striving-for-excellence-but-not-perfection-boosts-creative-performance-63325
元論文
Is perfectionism a killer of creative thinking? A test of the model of excellencism and perfectionism
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34472100/#:~:text=Excellencism%20was%20positively%20associated%20with,to%20creative%20indicators%20are%20discussed.