これまでの研究では、こうした完璧主義と創造性の直接的な関係性まではほとんど調べられておらず、完璧主義が本当に創造性を「損なう」のか? あるいは「促進する」のか? といった問題は謎のままでした。
そこで今回、オタワ大学の研究者たちが完璧主義が創造性に与える影響を、創造性を測定する複数のテストで調べることにしました。
調査に当たってまず参加者たちに心理テストを行い、参加者個人の仕事に対する態度が調べられると共に2つの異なる創造性を測るテストを行いました。
1つめのテストは、280人の大学生を対象に「2つの生活用品を組み合わせて思いもよらない使い方」を可能な限りたくさん考え出してもらうというものです。
たとえばトイレットペーパーの芯とまな板で小さなテーブルを作るなどです。
2つめのテストでは、可能な限りたくさん「無関係な単語を並べる逆連想ゲーム」を行ってもらいました。
こちらでは、たとえば「エビと半導体」「スプーンと浣腸」などの無関係な単語をつないでいきます。
いずれも回答数の豊富さから創造性を測ります。
創造的な人は「意味の遠い単語を組み合わせる」のが得意と明らかに
結果、最も創造性が高いと判断されたのは「仕事の完璧さ好む完璧主義者」ではなく「仕事の完成を好む完成主義者(excellencism)」と呼ばれる人々であることが判明します。
(※「excellencism」の元となる「excel:エクセル」には卓越・優秀・長所・美徳といった意味が含まれていますが、excellencismが最も好む性質が「仕事の完成」であるため完成主義者と表現しています)
この結果は、適度な完璧さで妥協しつつ高品質な仕事を完成させられる人(ある意味でプロフェッショナルな人)が、最も創造性が高いことを示しています。
何も完成できてないけど創造性だけは高い?
