結果、ひきこもり者の血液では男女ともに長鎖アシルカチニンが有意に高いことが判明します。
また特に男性のひきこもり者の血液ではアルギニン分解酵素とオルニチンの値が高く、アルギリンとビリルビンの値が低くなっていました。

また血液成分のパターンをひきこもりの重症度と共にAIに学習させたところ、AIは血液成分の情報のみで、採血した人間がひきこもりであるか、またひきこもりである場合の重症度を高い精度で予測できるようになりました。
この結果は、ひきこもりはうつ病や気分障害と同じく、医学的・生物学的な変化が背景に潜んでいることを示します。
抗うつ薬の代りに「抗ひきこもり薬」が処方されるようになるかも

この研究からは、ひきこもりと血液成分の間に関係があることが示されました。
これまでひきこもりは血液成分に反映されるような医学的・生物学的な変化があるとは考えられておらず、うつ病以上に強い偏見が向けられ、患者たちは「甘えているだけ」「怠けている」「人間的に弱い」など精神論の犠牲になってきました。
しかし今回の研究により、ひきこもりの背景には共通した医学的・生物学的な変化が存在しており、血液成分の分析により重症度まで予測可能なことが判明します。