すると、ケージ内での行動の活発化や血中コルチゾール濃度の低下が見られ、うつ病が見事に寛解されたのです。
以上のことから、MFC腹側部は、機能阻害に陥るとうつ病を発症すること、また、正常な状態であれば、情動や意欲の機能維持に参与することが証明されました。
この結果は、うつ病の病態や発症メカニズムの理解を深め、その予防や治療法の開発を進める上で、重要な知見となるでしょう。
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参考文献
世界初の脳活動の操作による霊長類うつ病モデル
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/08/press20220804-02-brain.html
元論文
Depression induced by low-frequency repetitive transcranial magnetic stimulation to ventral medial frontal cortex in monkeys
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35809630/
ライター
大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。
編集者
ナゾロジー 編集部