これは非常に大きな進歩です。
さらに未来に目を向けると、今後さらに高感度な重力波望遠鏡が登場し、これまで以上に鮮明で詳細な宇宙の音色が聞き取れるようになるでしょう。
もしそこで現在の理論では予測していない未知の「音色」が見つかれば、それは私たちが宇宙に関する理解を再び大きく書き換える、新たな物理法則発見の始まりになるかもしれません。
科学とは、「予言」し「観測」でそれを確かめていく営みです。
今回の発見はまさにその理想的な例であり、私たち人類が宇宙の謎に近づくことができる可能性を改めて証明したのです。
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元論文
GW250114: Testing Hawking’s Area Law and the Kerr Nature of Black Holes
https://doi.org/10.1103/kw5g-d732
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部