神経症傾向はストレスや不安への敏感さ、外向性は社交性や刺激を好む度合い、開放性は新しい体験や発想への興味を表しています。
これらの特性は固定の「タイプ」ではなく、0か100かで分かれるものでもありません。
むしろ音量を調整するダイヤルのように、少しずつ強めたり弱めたりできる連続体なのです。
つまり性格とは固定されたものではなく、「調整可能な特性の集合」だと考えられるのです。
では、それらの因子をどのように調整できるでしょうか。
3つの特性を“ちょうどいい”レベルに調整して成功する
燃え尽きを防ぎながら成功を続けるためにも、特性を調整することは大切です。
Sauer-Zavala博士は「協調性」「誠実性」「神経症傾向」の3つに注目し、極端に高すぎるレベルを少し下げてバランスを整えることを提案しています。
まず、協調性が高すぎる人は、頼まれごとをすべて引き受けてしまい、自分の負担を無視してしまうことがあります。
こうした状態は「people pleaser」と呼ばれ、長期的にはストレスや疲弊につながります。
この特性を変えることは、決して冷酷で利己的な人間になることではありません。
そのための変化に役立つのが「健全な自己主張」です。
たとえば「手伝いたいけれど、今は時間がありません。来週なら可能です」と伝えることで、相手との関係を損なわず、自分の限界を守ることができます。
次に考えるのは誠実性です。
誠実性が高すぎると「完璧主義」に陥り、「仕事や課題を細部まで修正し続けて終わらない」あるいは「休む時間を削ってしまう」ことがあります。
しかし誠実性のダイヤルを少し下げ、努力を「本当に価値のある部分」に集中させれば、過剰な消耗を防ぎつつ成果を出すことができます。
たとえば、発表用のスライドの細部を夜中まで整えるのではなく、「もう十分伝わる内容になった」と割り切って眠り、翌日に自信を持ってプレゼンできるようエネルギーを温存することができます。