今日では、私たちが毎日のように食べるようになった「超加工食品(Ultra-Processed Foods)」。
コンビニで手に取るサンドイッチやポテトチップス、甘い菓子パン、ソーセージ・ベーコンなどの加工肉、インスタントラーメン、冷凍ピザ、砂糖たっぷりの清涼飲料などなど、超加工食品は非常に身近な存在となっています。
その一方で、超加工食品が健康に害悪を及ぼすことも近年の研究で明らかになっています。
そして今回、デンマーク・コペンハーゲン大学(University of Copenhagen)の最新研究で、超加工食品が男性に及ぼす3つの害悪が判明しました。
その3つとは「体重増加」「ホルモンの乱れ」「精子の質の低下」です。
研究の詳細は2025年8月28日付で科学雑誌『Cell Metabolism』に掲載されています。
目次
- 超加工食品が男性に引き起こす「3つの害悪」
- カロリー制限しても避けられないリスクとは
超加工食品が男性に引き起こす「3つの害悪」

今回の臨床試験は、20~35歳の健康な男性43人を対象に、3週間ずつ「超加工食品中心」と「未加工食品中心」の食事を体験してもらうというものです。
どちらの食事もカロリー・栄養素は同じですが、“加工度”だけを変えています。
この研究で明らかになった害悪は、次の3つです。
1. 体重と体脂肪が増える
カロリーや栄養バランスが同じでも、超加工食品を食べたグループは、未加工食品グループに比べて「約1.4kg」体重が増加しました。増えたのは“筋肉”ではなく“体脂肪”で、脂肪量が1kg近く増えていました。
これは「脂質代謝を乱す作用」が食品の加工過程で生まれる可能性を示しており、超加工食品が肥満や生活習慣病のリスクを高める理由の一つといえます。
2.有害物質の蓄積による「ホルモンバランスの乱れ」
また、加工食品特有の「有害化学物質(内分泌撹乱物質)」が体内に蓄積されます。特に、プラスチック製品に含まれる「フタル酸エステル類(cxMINP)」が血清中で増加傾向を示しました。