しかしここで希望も見えています。
研究チームは、遺伝子操作でオートファジーを活性化させる実験も行いました。
その結果、高脂肪食で記憶力が落ちていたハエでも、記憶力が正常レベルまで回復したことが確認されたのです。
今回の研究で、高脂肪食が脳細胞の「お掃除システム」を妨げて記憶力を低下させるというメカニズムが解明されました。
そして、オートファジー機能を高めることで記憶力の低下が防げる可能性も示されています。
今後は、オートファジーの制御を標的とした新たな介入方法の開発が期待されます。
高脂肪食は確かに美味しく、私たちの心を喜ばせます。
しかし私たちは、脂肪の摂りすぎが体だけでなく脳にも悪影響を及ぼすことを意識すべきです。
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参考文献
食習慣は脳機能に影響する―長期間の高脂肪食の摂取による記憶能低下の仕組みを解明―
https://www.chiba-u.jp/news/research-collab/post_574.html
元論文
High-fat diet impairs intermediate-term memory by autophagic-lysosomal dysfunction in Drosophila
https://doi.org/10.1371/journal.pgen.1011818
ライター
矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。
編集者
ナゾロジー 編集部