この夏、海水浴を楽しんだり、プールで泳いだりしたかもしれません。
もしくは仕事でたまった疲れを癒すために、温泉に浸かったでしょうか。
いずれにしても、長時間水の中にいたのであれば、自分の指がシワシワになったのを目にしたはずです。
これは私たちにとって当たり前の現象ですが、どうしてシワがよるのか知っている人は多くありません。
アメリカ・ニューヨーク州立大学ビンガムトン校(Binghamton University)の生物医工学者であるガイ・ジャーマン氏は、長時間水に浸かると指がシワシワになる理由を解説しています。
目次
- 「皮膚が水を吸収したからシワができる」とは限らない
- 泳いだ後の指のシワは血管が収縮することでできていた
「皮膚が水を吸収したからシワができる」とは限らない
長く水に浸かると指にシワが寄る理由として、多くの人は「皮膚が水分を吸収して膨張するから」だと考えています。
確かに皮膚は複数の層から成り立っており、その一番外側にある「角質層」は、いくらか水分を含んでいます。

そこに含まれるケラチンという繊維状のタンパク質が水分を吸収し、保持するのに役立つのです。
そしてこれら角質層は、長時間水に触れることで、多くの水分を吸って膨張するとも言われています。
しかし角質層より下の層は水分で膨張しないため、上層だけが余り、それがシワをつくるというのです。
また手足の指先だけがシワシワになりやすいのは、これらの部位の角質層が厚いからだと考えられていました。

ところが1930年代の研究者たちは、指にシワが寄らない人の共通点を発見しました。