被験者はそれぞれの顔について、「どれくらい健康的に見えるか」「どれくらい魅力的に見えるか」「どの程度、性的に受容的に見えるか」を評価するよう求められました。

その結果、健康さと魅力に関しては「逆U字型」の評価パターンが確認されました。

つまり、まつ毛が短すぎても長すぎても魅力度や健康感は下がり、最も高く評価されたのは「目の幅の約3分の1の長さ」のまつ毛だったのです。

この傾向は人種や評価者の性別によらず一貫して見られました。

言い換えれば、「長ければ長いほど美しい」というわけではなく、自然に見える“ちょうどよい長さ”こそが、最も健康的で魅力的に感じられるということが示されました。

長いまつ毛が伝える「意外なメッセージ」

一方で、「性的受容性」に関する評価はまったく異なるパターンを示しました。

被験者たちは、まつ毛が長ければ長いほど、その人物を「性的に開かれている」「カジュアルな関係に積極的」と感じる傾向を示したのです。

驚くべきことに、その長さが健康的・魅力的に見える最適値(目幅の3分の1)を超えて不自然に見えるようになっても、「性的受容性」の印象は高まり続けました。

これは、見た目の美しさや健康のシグナルと、性的な印象のシグナルが必ずしも一致しないことを示しています。

研究者は「長いまつ毛は、それ自体は健康や魅力を示すサインとしては最適でないものの、性的な開放性を示すシグナルとして機能する可能性がある」と述べています。

この現象は、現代社会における化粧やファッションのトレンドとも関連しているかもしれません。

たとえば、まつ毛エクステやつけまつ毛が依然として人気を保っているのは、単に「美しさ」を高めるためだけでなく、「性的に魅力的である」「自己アピールをしている」という社会的シグナルを発する手段として機能している可能性があります。

ただし、この研究にはいくつかの制約も存在します。