「まつ毛は長いほど美しい」
そう信じてエクステやマスカラに力を入れている人も少なくありません。
SNSには長いまつ毛を強調した写真が溢れ、コスメブランドも“まつ毛強調”を前面に打ち出した商品を展開しています。
しかし英プリマス大学(University of Plymouth)の最新研究で、人々が最も魅力的かつ健康的だと感じるまつ毛の長さは「目の幅の約3分の1」であることが示されました。
そして興味深いことに、この長さを超えると魅力的には見えにくくなる一方で、別の意外な印象を与えることも明らかになったのです。
研究の詳細は2025年3月19日付で学術誌『Archives of Sexual Behavior』に掲載されました。
目次
- まつ毛がつくる「健康と美のサイン」
- 長いまつ毛が伝える「意外なメッセージ」
まつ毛がつくる「健康と美のサイン」
まつ毛は、進化の観点から見ると非常に重要な役割を担っています。
まつ毛は目の縁に並び、ほこりや小さなゴミ、過剰な光や乾燥から目を守るフィルターのような働きをしてきました。
いわば「目の番人」として、人類の進化の過程で保たれてきた器官なのです。
また、まつ毛は顔の印象を大きく左右する要素でもあります。
人と人が向かい合ったとき、最初に注目するのは目であり、その目を縁取るまつ毛の長さや形は、無意識のうちに相手の健康状態や魅力度の判断に影響を与えると考えられています。
研究チームは今回、まつ毛の長さと「健康」「魅力」「性的受容性」の印象がどのように関連するのかを調べました。
研究には、イギリスに住む120人(平均年齢32歳、男性77人、女性43人)が参加。
被験者たちには、アジア系、黒人系、インド系、白人系の女性の顔をコンピューターで生成した画像が提示されました。
画像は「まつ毛の長さ」だけが異なる11種類に加工されており、まつ毛がまったくないものから、目の幅の半分ほどの長さまで段階的に変化しています。