そして他の研究(2010年 ニューイングランド大学)によると、イヌが良くない食べ物によって軽度の胃腸障害を患っているケースでは、草を食べる可能性は低くなると報告されています。
これらの結果から、「お腹が痛い時に草を食べる」説の信頼性は低いように思えます。
似たような理論として、「イヌは下剤の役割を草に求めている」というものもあります。
これも上記の12頭のイヌの研究では、明らかな関連性は見られませんでした。
そのイヌたちは過去に消化器系の問題を抱えていませんでしたが、それでも喜んで草を食べていたのです。
では、どんな時にイヌたちは草を食べる傾向があるのでしょうか?
犬が雑草を食べるのは「好き」だから?飼い主が注意すべき点とは?

12頭のイヌの研究の主な発見は、「イヌがまだエサを食べていないとき、草を食べる可能性が高い」ということでした。
つまり、イヌは空腹であればあるほど、草を食べる可能性が高かったのです。
こうした研究結果からヘイゼル氏は、「なぜイヌが草を食べるのか?」という疑問の答えについて、「”単に好きだから” かもしれない」と述べています。
イヌは草独特の食感や味わいが好きなのかもしれず、また地面に生えている草を食いちぎるという行為そのものが好きなのかもしれない、というのです。
これには、草の種類やイヌのストレスレベルなども関係していることでしょう。
もちろん現段階では、イヌが草を食べる理由が完全に明らかになったわけではなく、今後も様々な研究を重ねることで徐々に解明していく必要があるでしょう。

加えてヘイゼル氏は、イヌが草を食べるのを好むとしても、飼い主はその行為に注意を払うべき特定のケースを挙げています。