愛犬と散歩に出かけると、愛犬が公園や道端に生えている草を食べだすことがあります。

庭で飼育しているなら、庭の芝生や雑草を食べることもあるでしょう。

では、どうしてイヌは雑草を食べてしまうのでしょうか?

その理由としてよく耳にするのは、「腹痛の原因となった悪いものを吐き出そうとしている」といった考えです。

では、本当のところはどうなのでしょうか?

ここでは、オーストラリアのアデレード大学(University of Adelaide)動物獣医学部に所属するスーザン・ヘイゼル氏の解説をご紹介します。

目次

  • イヌが雑草を食べるのはなぜ?「腹痛」や「吐くこと」が主な理由ではない
  • 犬が雑草を食べるのは「好き」だから?飼い主が注意すべき点とは?

イヌが雑草を食べるのはなぜ?「腹痛」や「吐くこと」が主な理由ではない

「イヌが草を食べる」のはよくあること
「イヌが草を食べる」のはよくあること / Credit:Canva

イヌが雑草を食べるのを初めて見た時、私たちはびっくりしたかもしれません。

時には草を食べた後に、それらを「吐き出す」という行為がセットになることもあるでしょう。

しかし次第に、それがイヌにとって「よくある行動」だと分かってきます。

実際、ある調査では「飼い主の80%は愛犬が定期的に草を食べていることに気付いている」と報告されています。

そしてこの行為は、イヌだけに限ったものではありません。

オオカミの糞には、74%の確率で、植物(主に草)が混じっていると言われています。

では、なぜイヌたちは草を食べるのでしょうか?

多くの人は、「イヌが草を食べるのはお腹が痛い時」だと考えています。

「イヌはお腹が痛い時に草を食べる」という説は果たして本当なのか?
「イヌはお腹が痛い時に草を食べる」という説は果たして本当なのか? / Credit:Canva

「草を食べて、腹痛の原因を吐き出しているのだ」という話を聞いたことがある人は多いでしょう。

しかし2007年のクイーンズランド大学(The University of Queensland)の「毎日草を食べた12頭のイヌ」を対象にした研究では、18回のセッションで5回しか嘔吐が起こりませんでした。