マツタケ、食べたことありますか?

「マツタケ食べたことありますか」の質問に「永谷園のあれでしょ」と答えたのは私です。ずいぶん昔の話です。今の若い方に聞いたら「永谷園ってなに?」と言われるかもしれません。「マツタケってシイタケのでかい奴でしょ」と言われかねないです。実は私の会社はカナダ産のマツタケを日本向けにギフト用で販売させていただいています。お前はそんなこともしているのか、と言われそうです。来週、京都で大事な打合せがあるのですが、それを手土産で持っていくか考えています。「日本最高峰の京都産が取れるところに外来種のマツタケ、何を言うのか?」と怒りを買いそうですが。

というのは日本では東北からマツタケの収穫が始まるのですが、現時点ではほぼなし。暑すぎるのと雨が降らなさすぎが理由です。もちろん、今後は天候次第ですが、そもそも日本産マツタケの収穫は激減しており、1960年と比べて70分の1だとか。それに山に行けばクマがいるし、サルも好んでマツタケを食べます。カナダ産は出始めたところで順調だと報告を受けています。ではマツタケは旨いものか、と言われると風物詩であってたくさん食べるものではないのでしょう。キャビアみたいなものです。ただ料理のオプションはいろいろあり、焼いてもご飯に入れてもパスタに入れても吸い物や鍋、すき焼きでも構いません。

扱う側の問題は虫。生き物なので虫はいます。サバにアニサキスという寄生虫がいるのと同じです。ただ、マツタケの虫はキノコバエの一種で毒はありません。普通はスライスした時、虫がいれば塩水で落とす、これで結構です。当然気がつかずに食べてしまうこともあると思いますが、生で食べるわけではないので腹は壊さないです。ただ、嫌といえば嫌ですがね。進物用はいかにもマツタケという立派なものをお出ししますが、市場に出ない型崩れのグレード落ちは破格のお値段。味はどれも同じなのでスライスして冷凍庫で保存すれば一年中マツタケにありつけます。季節感がないといえばそれまでですが。