では株価はどう反応するでしょうか?本来、金利が下がるとは景気が良くないという意味なのです。それなのに株価が上昇するのは「今より経営環境が良化する」ことを囃すからです。個別で見るとスポーツウェア大手のルルレモンが関税などで売れ行き見通しが暗かったことで、本日株価が20%下落となるなど消費関連はまだら模様が見込まれます。他方、不動産や建築には住宅ローンや商業不動産ローンの金利低下でプラスの効果があります。ただ以前から申し上げているように金利の上げ下げは通常時の経済全般の循環事象であり、秋に起こりやすい「経済クラック」は別の次元ですのでここには引き続き気をつけたほうが良いかと思います。
自民党の内乱、その行方は?
9月8日に自民党の「総裁選の可否を決める選挙」が記名式でわずか5時間程度の枠の中、原則本人による投票という形で展開されます。この記名式短時間本人投票方式を決めたのは選挙管理委員会の逢沢一郎委員長。氏は石破氏に近く、その真意は「記名式ならビビるだろう」。ですが、今の様相は真逆で「反旗を翻され」、「この指に止まらなければ反逆者」扱いされそうな勢いとなり逢沢氏の戦略は外したように見えます。
「解党的出直し」であればこそ、誰がそのリーダーシップをとるのか明白にすべきです。石破氏が総理の座にしがみつき、下の者だけが汗をかくという意味不明の事態を避けなければなりません。石破氏が男なら総裁選で自らがもう一度立候補すればよいのです。私は絶対に負けるとは言い切りません。1-2割程度の勝ち目はあると思います。なぜなら対抗馬が絞り込めないからです。石破氏は挑戦を受けて立つ、というスタンスでよいのです。それで負ければスッキリするでしょう。何を考えて解散を口走ったのかわかりませんが、それは総裁選後に決めればよろしいことです。
その解党的出直しですが、マーケティング的にはまず自民党がわかりにくいことを解消すべきです。つまりいろいろな考えの人がいることは自民党支持者を増やすには都合がよさそうですが、党内にミニ与党とミニ野党があるようなものでわかりにくいのです。主流派ではない人をスピンアウトしたうえで、増えてきた野党との連携を再構築するのはアリでしょう。例えば小泉さんは維新の吉村さんと近いとされます。ガラガラポンができる人がいるかどうかです。あと、「自民党」の名前を変えるというのもありです。昔の名前じゃもう流行らないのです。政治は流行ではないと叱られそうですが、若い人の政治への興味が伸びてきている事実を踏まえれば「おじいちゃんとおばあちゃんの自民党」じゃダメだと思います。

小泉進次郎氏・石破茂氏・高市早苗氏インスタグラムより