とはいえ現時点での勝ち点差を考えれば、この3クラブが引き続き残留争いに巻き込まれる可能性は極めて低い。奇しくも次節は揃って下位勢との直接対決となるだけに、まずは目前の試合を勝利で終え、確実に勝ち点差を“安全圏”と呼べる数字にまで伸ばしたいところだ。

昨季に続き残留争いに巻き込まれた2クラブ
残りの対戦カード
- ロアッソ熊本(徳島、鳥栖、千葉、いわき、山形、大分、山口、仙台、愛媛、甲府)
- 大分トリニータ(藤枝、山口、愛媛、秋田、仙台、熊本、山形、札幌、千葉、水戸)
昨季はともに下位に沈みながらも、ロアッソ熊本は終盤戦に意地の4連勝で勝ち点を伸ばし、大分トリニータは2試合を残して残留を確定させた。今季も苦しい戦いが続く両クラブだが、勝ち点だけを見れば降格圏からは一定の距離を保っている。しかし安心できる状況とは言いがたく、不安要素も残している。
熊本の課題は不安定な戦いぶりだ。第22節ジュビロ磐田戦の勝利によって、第12節から続いていた10戦未勝利という長いトンネルを脱した。しかし、その後は白星と黒星を交互に繰り返し、勝ち点は積み上げられているもののいまひとつ調子を上げきれずに終盤戦を戦っている。一方の大分は、現状11戦未勝利で今まさに長いトンネルの中にいる。監督交代の決断もまだ結果には直結しておらず、課題は山積みだ。
ただし、ともに浮上のきっかけになりうる材料も持っている。熊本はホーム戦での強さが挙げられ、長かった未勝利期間を脱して以降は現在ホームで3連勝中だ。残り10試合のうち半数がホームゲームであることを踏まえれば、残留に向けては明るい材料と言えよう。一方の大分は、残りの対戦カードにおける今季の戦績が好材料として挙げられる。3勝3分4敗で稼いだ勝ち点12は本記事で取り上げる8クラブ中もっとも多く、またその8クラブとの直接対決を6試合残している点も自力での残留を叶える上では大きな要素と言えそうだ。
