その時について、同乗していたカメラマンのベン・ハーバートソン(Ben Herbertson)氏は、次のように話しています。
「機体が湖面に衝突し、私たちは水中に投げ出されました。そして次の瞬間、湖水により、目に焼けるような痛みが走ったのです。
また、周囲は30分もすれば脱水症状を起こすほど蒸し暑く、額から汗が流れ落ちて、また塩分が目に入り込んできました」
この事故で死者は出ておらず、ハーバートソン氏らは、地元のマサイ族によって水から引き上げてもらったそうです。

こうした過酷な環境のため、ナトロン湖に近づく動物はほとんどいません。
しかしその中で、フラミンゴの群れだけが湖に適応し、水中を悠々と泳いでいるのです。
フラミンゴの皮膚は非常に丈夫で、強アルカリ性の水にも耐えられます。
また、捕食者が近寄りたがらないことや、狩猟の禁止区域になっていることも手伝って、フラミンゴの人気スポットとなっているようです。
ただ、現在ナトロン湖は砂漠化の影響で縮小を続けており、いずれはこの地域も草原に変わってしまうと予想されています。
けれどそれまでは、この多くの生き物にとって地獄のような湖は、フラミンゴには「楽園」として存在し続けるでしょう。
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参考文献
What Would Happen If You Jumped Into Lake Natron? You Won’t Turn To Stone, But It Wouldn’t Be Fun
https://www.iflscience.com/environment/what-would-happen-if-you-jumped-into-lake-natron-you-wont-turn-to-stone-but-it-wouldnt-be-fun/
This Alkaline African Lake Turns Animals into Stone
https://www.smithsonianmag.com/science-nature/this-alkaline-african-lake-turns-animals-into-stone-445359/