そうして撮影されたのが、以下の写真たちです。

 

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「動物そのものは発見されたときのままであり、私は遺骸を湖面や枝の上に置いただけです」と、ブラント氏は言います。

この動物たちはどのような経緯で石化したのか、正確なプロセスまではわかっていません。

しかし、遺骸には鳥類やコウモリが多いことから、鏡のような湖面の上を飛んでいる間に、方向感覚を失い、墜落した可能性が指摘されています。

その後、湖水の温度や強アルカリ性のために表皮がボロボロになって、そのまま水中で命を落としたのでしょう。

ところが、塩分濃度が高いため腐敗が止まり、塩漬けのような状態で全身がきれいに保存されたと見られます。

そして、湖水の蒸発により遺骸が地表に露出し、乾燥することで、カリカリの石化したような姿になった、というわけです。

湖名の「ナトロン」とは、古代エジプト人がミイラをつくる際に乾燥剤として使った化合物に由来しています。

それでは、ナトロン湖に人が落ちると、どうなるのでしょう?

先の動物たちと同様に、石化してしまうのでしょうか。

ナトロン湖に「人が落ちる」とどうなる?

結論から言いますと、人が落ちても石化することはないでしょうが、笑い話ではすまないケガを負う可能性はあります。

まず、水温がかなり高いので、火傷は免れられません。

さらに、塩分濃度が非常に高いため、もし皮膚に切り傷などがあれば、地獄のようにしみるでしょう。

傷口に塩を塗り込む様子を想像してください。

また、pHは降雨量によって変化しますが漂白剤のように非常に高いため、最悪の場合腐食性の火傷を負うことになります。

幸いなことに、これまで素っ裸でナトロン湖に落ちた人はいませんが、2007年に、動物写真家のグループがヘリコプターで湖に墜落したことがあります。