宇宙を旅する「ヒッチハイカー」たち

 新しい論文では、地球外文明の技術が、彗星や小惑星といった自然の天体に便乗して、いわば「ヒッチハイク」しながら恒星間を旅してくる可能性が指摘されている。そのシナリオは、実にSF的で刺激的だ。

** 休眠状態の探査機: ** 長い旅の間は休眠し、太陽のような恒星に近づいた時に目覚めて活動を開始する。

** 天体の内部に隠された技術: ** 天体の表面下に探査機が埋め込まれており、太陽の熱で表面の氷が溶け(昇華し)、内部の機械が露出・起動する。

** 機能停止した遺物: ** 何らかの理由で機能停止した宇宙船や探査機が、遺物として漂っている。

** ワールドシップ(世代宇宙船): ** 小惑星などを改造して作られた巨大な宇宙船。内部に居住空間を持ち、何世代にもわたって宇宙を旅する「宇宙のノマド」が乗っているかもしれない。

 研究チームは、「恒星間の距離はあまりに広大であるため、地球外文明にとって、直接通信するよりも物理的な探査機を送る方が有利な場合がある」と指摘する。

「本物」を見分ける4つの方法とは?

 では、単なる岩石と地球外文明の技術をどうやって見分けるのか? 論文では、以下の4つの調査方法が提案されている。

** ・異常な軌道: ** ガス噴出など自然現象では説明できない、不自然な加速や進路変更。 ** ・異常なスペクトルや色: ** 人工的なコーティングや、赤外線で検出される不自然な排熱の痕跡。 ** ・不自然な形状: ** 「オウムアムア」のような極端な円筒形や、薄い「ライトセイル(光の帆)」のような形。 ** ・通信信号の検出: ** レーザー光や特定の周波数の電波など、意図的または偶発的に発せられる通信の痕跡。

 これまで観測された3つの恒星間天体は、ハッブル宇宙望遠鏡やジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡など、世界最高峰の設備で調査されたが、今のところ決定的な地球外文明の技術は見つかっていない。すべては自然起源である可能性が極めて高いのが現状だ。

太陽系に飛来した3番目の恒星間天体「3I/ATLAS」は“エイリアンの探査機”か? 科学者たちが本気で探す“宇宙人の痕跡”の画像3
(画像=イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI))