レンタル車両「VANLIFE」の概要
小学生の粗筋だらけの読書感想文のようになってしまっては実際に試用させてもらった意味が薄れてしまうので、この車両についての詳しいことはToy-Factoryの公式サイトを見ていただきたい。
「VANLIFE」詳細はこちら ▷Toy-FactoryHP
と言いつつ、まずは今回の取材車両についての概要や特徴などについて、主観を交えながらざっと紹介しておこう。
車体サイズ:L2H2の迫力

まず、ベースのFIAT DUCATOについてだが、車体の大きさが何種類かある。
その中で、「VANLIFE」のベースとなっているシャーシはL2H2(Lは長さ、Hは高さ)というタイプで、このL2H2のボディーサイズは全長5,410mm・全幅2,100mm・全高2,525mmだ。
L2H2はDUCATOの中では小さいサイズなのだが、ハイエーススーパーロングワイド(ハイルーフ)の寸法が各々5,380mm・1,880mm・2,285mmなので、でかい方のハイエースと長さはほぼ同じで、幅は20cmちょっと広くなり、高さは30cm近く高いことになる。
室内高:直立ができる!
この数値を見て高さがずいぶん大きいと感じた人が多いであろうと思うが、ハイエースは何も架装していない状態のハイルーフの室内高が1,635mmなので、中で直立できない人の方が多い。
「VANLIFE」は床も天井も張った架装した状態で室内高が1,850mm確保されているので、日本人だったら屈むことなく中で直立できる人の方が多いと思う。

食事をして寝るだけだったら中で立てなくても良いとも思え、私もどちらかというとそんな風にも考えてしまっていたが、実際に中に入ってみるとこの高さがあることによる解放感は格別で、室内長や室内幅が近い数値だとしても、何か次元の違う空間になると感じた。
また、ハイルーフのハイエースの全高が2,285mmである理由は高さ制限が2.3mの駐車場のことも考慮に入れているからなのかと想像できるが、ルーフキャリアやルーフラックなどを装着したら軽く2.3mは超えてしまう。
この室内高を体験してしまうと、どうせある程度以上の高さになってしまうのなら、いっそここまで高くしてしまっても良いのではないかと思えてきた。
室内幅:横向きベッドの恩恵

次に幅についてだが、2,100mmの全幅は日本車にはないサイズだ。
しかし、この幅があるおかげでDUCATOは進行方向に対して横向きに寝るベッドを設置することができるのが大きな利点で、縦方向のベッドしか設置できない場合と比較すると、スペースの利用効率において雲泥の差が生じることになる。
「VANLIFE」も車体後方に長さ1,305mm×幅1,820mmの大きな「横向き常設ベッド」が標準装備されているが、ベッド下は高さ幅ともに大きなラゲージルームとなり、ベッドより前にも広いスペースが残ることになる。

そのスペースの広さたるや、運転席の後ろから上段ベッドまでの間に設置されているカウンターの横幅が140cmもあるので、いかに広大であるかがわかる。
レンタル車両には、オプションのセカンドシートと着脱式テーブルが設置されていたが、セカンドシートとテーブルが設置されていない場合は上の写真のような状態になり、とにかくこの「リビングスペース」は広い。
また、私は4tトラックや1ナンバーのトヨタコースターなどの運転経験もあるが、運転していて車体幅の違いを感じるのは、小型車サイズに収まる1,700mm以下か、せいぜい1,800mmくらいまでに収まっているか否か。
それ以上あると2,000mmを少しばかり切っていようと2,100mmであろうと大した違いはなく、それより車体の見切りの良さの方が重要となるのが実体験に基づく感覚だ。
ならば、高さ同様幅もここまで大きくして「横向き常設ベッド」を設置することのできる車体の方が私は良いように思う。