■プロに「犬が暑さに弱い」理由を聞いた

さらに今回は、夏季における犬の暑さ対策の重要性について、公益社団法人「日本動物病院協会」(JAHA)にも取材を行なっている。

JAHA理事にして獣医師の吉田尚子氏は、犬が暑さに弱い原因について「人間と違って目に見える汗をほとんどかかない他、毛皮を纏っているのが主な理由です」と、説明。

また、犬は人間よりも遥かに体高が低いため、コンクリートや地面が太陽光を反射する「照り返し」の影響をモロに受けてしまうのだ。

この影響力はわずか数cm単位で異なり、例えば同じ犬でも、大型犬より顔や体が地面に近くなる中型犬の方が、そして中型犬より小型犬の方が、より厳しい暑さに晒されることになる。

では「犬が靴を履く」という行為は、暑さ対策には有効なのだろうか。

まず、犬の足裏にある肉球の役割について、吉田氏は「犬が歩いたり走ったりする際、衝撃を和らげるクッションのような役割を果たします。特に、警察犬や警備犬のように訓練をしている犬たちの肉球は硬くなっているケースが多く、衝撃には強いと思われます」と、説明。

犬の肉球

(画像=『Sirabee』より引用)

(Photo:秋山はじめ/Sirabee編集部)

肉球は、それ自体が犬にとっての「靴」としての役割を担っているのだ。そんな肉球は確かに衝撃には強いものの、熱にはめっぽう弱いという。

そのため「靴を履く」という対策は理にかなっており、吉田氏は大阪府警の警備犬の足元を見て「しっかり固定できるタイプの靴を履いているように思えます」と、頷いてみせる。

その他の暑さ対策としては、保冷剤を使用するのも有効。

保冷剤ネックバンド

(画像=『Sirabee』より引用)

(Photo:秋山はじめ/Sirabee編集部)

その際の注意点として、吉田氏は「保冷剤が直接肌に当たらないようにして、太い静脈がある首周りを冷やしてあげると効果的です」と説明している。

犬の暑さ対策

(画像=『Sirabee』より引用)

(Photo:秋山はじめ/Sirabee編集部)

また、冷感効果のあるメッシュ素材のTシャツ着用なども、効果があるそうだ。

これは靴にも言えることだが、犬は本来は服も靴も着用しない生き物。そのため、普段から慣れさせておかないと、着用それ自体が大きなストレスとなる可能性がある。

犬の暑さ対策

(画像=『Sirabee』より引用)

(Photo:秋山はじめ/Sirabee編集部)

愛犬の暑さ対策グッズを揃えた際は、まず室内で着用の練習を行ない、その後で本番(屋外)に挑むよう心がけたい。

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