また、本・新聞・雑誌をどの程度読むか、紙と電子の使い分け、読書時間、読書ジャンルなど「読む」行動についても詳細に問いました。

また、読み書きの習慣が読解力にどのような影響を及ぼすかを測定するため、調査対象の一部には「文章読解・作成能力検定(文章検)」準2級の問題が課されました。

これは高校卒業〜大学初年次レベルの読解力を測るもので、理解力の指標として信頼性の高い試験です。

では、現代の大学生の「読む」「書く」習慣に関してどんなことが判明したのでしょうか。

「記録しない」「読書しない」大学生は2割!読解力の低下につながっている

調査の結果、非常に興味深い事実が明らかになりました。

まず、大学等の講義で「記録をしない」と回答した学生は10%(107名)日常の予定を「紙にも電子にも記録しない」と答えた学生は24%(255名)に達していました。

また、本や新聞・雑誌を「まったく読まない」と答えた学生も20%(221名)存在していたのです。

これは、学習に不可欠と思われてきた「書くこと」「読むこと」が、意外にも多くの学生の中で実践されていないことを示しています。

さらに深刻なのは、こうした習慣の有無が、学生の読解力に明確な差を生んでいる点です。

たとえば、講義内容を記録している学生の文章検の正答率は57%でしたが、記録しない学生は32%にとどまりました。

この32%というスコアは、ランダムに選択肢を選んだ場合とほぼ同じレベルであり、図や文章の内容がほとんど理解できていない状態であることが示唆されます。

同様に、読書習慣の有無によっても差が見られました。

日常的に本や新聞・雑誌を読む学生の正答率は56%であったのに対し、読まない学生(50名)は39%だったのです。

そして読む・書くの両方を実践している学生ほど、読解力が高くなるという累積効果も統計的に明らかになりました。

なぜこのような差が生じるのでしょうか?