ベッドの使い心地
標準装備の「横向き常設ベッド(後部の上段ベッド)」は横になると長さが1,820mm、幅が1,305mmあるので、日本人の平均身長から考えると、2名並んで寝るのに問題ない人の方が多いサイズだ。

しかし、仰向けに寝る時は、踵が直角に曲がっているのではなく、爪先が伸びているのが普通だ。
私の身長は174cm(日本人男性の平均身長より少し高い程度)なので、この長さがあれば十分に収まることになるのだが、壁に足の先が少し当たるような状態になった。
しかし、幅が1,305mmもあるので、ほんの少し斜めに寝れば問題は解消するし、私は横向きで寝るタイプなので、個人的には全く気にならずに快眠できた。
十分な高さ
後部ベッドの床下は72cmもあるので、比較的高い場所にあるのだが、頭上高が100cmとかなり高く確保されていて、長さ以外は多くのカプセルホテルの個室空間より大きいことになる。

普通のVANなどで車中泊をした際は、朝起きたら車外に出て伸びをしたり、軽くストレッチをしたりすることが多いが、この車両はベッドの上に座った状態で背筋を伸ばすことができ、ベッドの上でストレッチなどもできてしまう。
思った以上に、「座った状態で背筋を伸ばせる」ということが快適だった。
この広い空間があるのは、運転で疲れた体をしっかり休めることができるので、旅クルマとしてとても理に適っていると思う。
オプションの下段ベッド
オプションの下段ベッドの作り方は「シートの使い心地」で書いた通りとても簡単。
長さは2,190mmもあり、大谷翔平クラスの身長の人でも大丈夫だ。
また、以前の記事でも書いた通り、このレイアウトなら上段と下段でお互いを気にすることなく寝られるだろうと予想していたのだが、思った通りだった。
お互いの存在を気にすることなく(相方は耳栓はしていたようではあるが)、どちらも快眠することができた。
下段ベッドの上半身は完全に外に出ているため、閉塞感を感じるようなことはない。
ただし、マットを敷いた状態で上段ベッドのフレームの下までの高さが33cm(マットの厚みは5cm)とあまり高くはないため、うっかり膝を立てたりすると、フレームに膝や爪先などをぶつけてしまう可能性があるので、その点は注意が必要ではある。
シンクとカウンター
サイドのスライドドアを開けると、正面(室内右側)には、奥行きが27cm、幅が140cmもあるカウンターが運転席後ろから後部ベッドの部分まで幅いっぱいに広がっている。
このカウンターにシンクが組み込まれ、オプションの着脱式テーブルもこのカウンターに装着する仕組みになっている。
カウンターの下には給水・排水それぞれ12Lの水タンクが格納されていて、さらにカセットコンロも標準装備品に含まれているが、ビルトインの調理機器のようなものは設置されていない。
水道設備と調理機器は不要と考える人もいるが、8ナンバーのキャンピングカーとして登録するためにはどちらも必須の装備なので、これらを省くことはできない。
そういった事情があるため、中には形だけで全く実用性のなさそうなシンクが組み込まれているキャンピングカーもある。

「VANLIFE」のシンクは大きくはないが、十分実用に耐えるサイズだった。
逆に、カウンターが大きすぎる、特に奥行きが広いものは、必要性をあまり感じない人にとっては室内を狭くする原因になってしまう。
私は基本的に、食器を汚さないよう調理し、使ったとしてもティッシュやウェットティッシュで拭き取って済ませてしまうので、あまりシンクの必要性を感じたことはない。
今回も食器洗いにシンクを使用することはなかったが、ちょっと手を洗いたい時や、飲み物を変える際にカップを軽くすすぐ時などに便利で、液体を器に注ぐ際などもシンクの上で作業すると安心だ。
蛇口とシンクも、案外あると便利なことを実感してしまった。
また、サイズや位置もちょうどよく、使いやすくて良かった。
人間は贅沢に慣れてしまうのは簡単だ。
固定された調理機器があった方が良いかどうかもは、人によって意見が分かれるところだ。
私の場合、車内で本格的な料理をつもりはないのだが、状況によってテーブルの上で調理したり、屋外で調理したりするので、固定された調理機器より自由に使えるスペースがあった方が良いと考える。
「VANLIFE」のカウンターは奥行きは実用的で、幅は広くて使いやすく、私にとって絶妙なサイズ感だった。
オプションのテーブルも、2人での使用には十分なサイズで、簡単に外せるので、仮にセカンドシートをオプションで追加しなかったかった場合もこのテーブルは付けた方が良いと思うほどだった。