ここまで「DIE WITH ZEROはよほどお金に余裕がある人でないと難しい」という話を論理的に説いてきた。そこでここからは、「ではどうすれば普通の人もDIE WITH ZEROを実践できるか?」ということについて、筆者自身の経験を共有したい。

おすすめは毎月の給与や資産運用のリターンから「消費枠」を確保しておくことである。筆者は家族旅行は前年の収入によって予算を決めている。仕事を頑張って収入が増えたら、旅行の質や量も充実するような設計だ。

別に旅行に限らなくてもいい。最新のスマホやパソコン、高価な食事など自分の幸福度に直結するご褒美に反映すればいい。このようにすれば蓄財と消費を両取りできる。

もう1つは仕事を充実させることだ。人は人生の大部分の時間を仕事をして過ごす。つまり、仕事の充実度は人生の充実度に直結する。筆者は独立してからは仕事と遊びの境界線が完全に消えた。今でもゲームが好きで年間10本以上買ってクリアするまでプレーしているが、ゲームを攻略する時と仕事で結果を出せた時と同じような爽快感がある。

仕事がうまくいっているときは自主的にゲームを止めて仕事をする。実際、仕事の方がゲームより楽しいことはよくある。仕事が楽しくなれば自然に毎日が充実する。

「いや、その仕事を充実させることが難しいのではないか」という反論があるだろう。それ自体はごもっともだ。そこで会社員にとっては副業に夢を託す事を勧めたい。

筆者は会社員をしながら記事執筆をしていたことがある。1記事あたりの報酬はバイト負けするくらいだが、それでも楽しかったので報酬のことは全然気にならず、趣味のようにやっていた。今ではそれが仕事になった。

本業を今すぐ充実させるのは難しいが、まずは土日の時間で面白そうな仕事をするといいかもしれない(筆者は副業コンサルのような仕事はしていないのでポジショントークではない)。

DIE WITH ZEROを額面通りに実践できるのは余裕資産を持つ人々だけだ。しかし普通の人でも工夫すればゼロは無理でも、半分くらいはじっせんできるはずだ。