今回の研究は、こうした「きょうだい間の競争」が男女の攻撃性の性差にどのように現れるかを世界規模で示した初めての例となります。
この発見は、「男性の方が攻撃的」という単純なイメージが必ずしもすべての状況で当てはまらないことを教えてくれます。
家族という一番身近な集団の中では、女性もまた力強く自己主張し、時に男性以上に攻撃的になるのです。
性差についての“当たり前”を疑うことで、人間社会の複雑さや多様性が浮かび上がってきます。
姉がいる人は、女性をちょっと怖いと感じたりすることがあるのは、こうしたところに理由があるのかもしれません。
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参考文献
Sibling-specific aggression in women and girls
https://www.eurekalert.org/news-releases/1095749
元論文
Commonly observed sex differences in direct aggression are absent or reversed in sibling contexts
https://doi.org/10.1093/pnasnexus/pgaf239
ライター
相川 葵: 工学出身のライター。歴史やSF作品と絡めた科学の話が好き。イメージしやすい科学の解説をしていくことを目指す。
編集者
ナゾロジー 編集部