日本代表は、このアウェイでの引き分け(1997年10月4日、アルマトイでの0-0)を受けて加茂周監督が解任され、岡田武史コーチが監督に昇格した。この出来事は「アルマトイの夜」と呼ばれ、日本代表史上唯一のW杯予選途中での監督交代劇として知られている。

しかし、カザフスタン代表はW杯には届かず、国民の不満が募る結果となった。その後、2001年にAFCを脱退し、2002年にUEFA加盟が正式承認された。文化的に欧州との結びつきが強いこともあり、国民の多くが「我々は欧州人である」というアイデンティティを持っていることが決め手となった。

2002年の日韓W杯予選に参加したのを最後にアジアでの活動を終え、2004年から始まった2006年ドイツW杯予選から欧州予選を戦っているカザフスタン。以降、W杯はおろか欧州選手権(EURO)でも大敗が続き、本大会出場は実現していない。それでも国際舞台で「欧州の一員」として戦うことは国民の誇りとされており、UEFA所属は広く支持されている。


UEFAチャンピオンズリーグ 写真:Getty Images

史上2クラブ目のCL本戦出場

2015/16シーズン、カザフスタン勢として初めてFCアスタナがCLグループステージに進出。グループ最下位で敗退したものの、ホームではアトレティコ・マドリードやガラタサライから引き分けを奪い、移動距離の長さを背景に強豪を苦しめた。首都アスタナ(現ヌルスルタン)のアスタナ・アリーナ(収容約3万人)は連日満員となり、大きな話題を呼んだ。

そして今2025/26シーズン、アルマトイを本拠地とするFCカイラトが同国史上2クラブ目のCL本戦出場を実現。収容約2万3千人のオルタリク・スタディオンでも、同様に熱狂的な雰囲気が予想される。カイラトは1954年創設で、ソ連リーグに参加した唯一のカザフスタンのクラブという歴史と伝統を誇り、国内屈指の人気を持つためだ。


FCカイラト 写真:Getty Images

カザフスタンのアジア復帰の可能性は