FCカイラト 写真:Getty Images

8月26日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)プレーオフ4次予選第2戦で、日本代表FW前田大然、元日本代表MF旗手怜央が先発出場したスコットランド王者セルティックが、1次予選から勝ち上がってきたカザフスタン王者FCカイラトにPK戦で敗れ、本戦出場を逃した。最後は前田のPKがGKに止められ、セルティックはPK戦2-3で敗退。4シーズンぶりのCL本戦出場はならず、UEFAヨーロッパリーグ(欧州EL)に回ることとなった。

カザフスタン最大の都市アルマトイを本拠地とするカイラトの快挙は、同国クラブとしては2015/16シーズンのFCアスタナ以来、史上2クラブ目となるCL本戦出場である。

カザフスタンはかつてAFC(アジアサッカー連盟)に所属していたが、2002年にUEFA(欧州サッカー連盟)へと転籍した。地理的には中国や中央アジア諸国と国境を接する一方で、現在は欧州サッカーの一員として位置付けられている。歴史的背景を紐解き、アジアに戻る可能性はあるのか検証してみたい。


岡田武史氏 写真:Getty Images

アジアでは一定の評価を受けていたカザフスタン

1992年のソ連崩壊に伴い、カザフスタンは1994年に他の中央アジア4か国(ウズベキスタン、タジキスタン、キルギス、トルクメニスタン)と共にAFCに加入した。AFC加盟の背景には「ロシアと距離を置きたい」という感情的要因もあったようだが、地理的にアジアに属していたことや、当時は欧州よりアジアの方が競技レベルや政治的調整が現実的だったことがあったとされる。

カザフスタン代表はアジアでは新興勢力として一定の評価を受けており、1998年のFIFAワールドカップ(W杯)フランス大会アジア最終予選では日本代表と同組に入り、対戦成績は1勝1分けであった。