それが、順番が違うだけで平均して1語以上減ってしまうのは、かなり大きな影響と言えるでしょう。

別の実験では、987人の参加者(男性と女性の数はほぼ同じ)に、人気テレビ番組『バチェラー』で自己紹介する女性の短い動画を見せ、その女性たちについて評価してもらいました。

この『バチェラー』は、「才色兼備の1人の独身男性(バチェラー)を、複数の女性が取り合う婚活リアリティ番組」です。

そのため参加者は、自分がバチェラーの立場になって「最も素敵な女性」を選ぶかのように、女性たちの印象をそれぞれ説明してもらいました。

「バチェラー」の紹介動画を使った実験でも、最初の候補者の方が有利だった
「バチェラー」の紹介動画を使った実験でも、最初の候補者の方が有利だった / Credit:Canva

その結果、参加者たちは、紹介動画を順番に見ていくにつれ、女性対して抱く印象が否定的になりました。

紹介動画の順番は参加者それぞれでランダムに並べられていましたが、それにもかかわらず、10人目の女性は最初の女性よりもかなり否定的に語られる傾向がありました。

この原因として参加者たちは、多くの女性の紹介動画を見るにつれて、最初の女性では魅力的に感じていた要素を、後半では当たり前の要素と感じるようになってしまう点が上げられます。

例えば、最初の人に対しては「笑顔が素敵だ」と高評価しますが、そのような人をたくさん見ていくにつれ、最後の方では「笑顔なのは当たり前」「ほかに良い点はないのか」と感じてしまうのです。

これらの実験から、「順番が後になればなるほど、否定的な評価を下しやすい」という系列位置否定効果(Serial position negativity effect)が確認されました。

そのため、自分が何かの志願者であるなら、なるべく最初のタイミングで評価してもらうよう工夫すべきだと分かります。

面接の順番が明暗を分けるかも
面接の順番が明暗を分けるかも / Credit:Canva

例えば面接であれば、エントリーした順番に面接を行う会社もあります。