就労資格のない外国人を食事宅配サービス「出前館」の配達員として働かせていた男が、警視庁に摘発されましたが、この事件、日本では一応報道されましたが、あまり騒ぎになっていませんね。

出前館の出前のようす 同社HPより
しかしあまり騒ぎにならなかったと言う点で私はぞっといたしました。
日本人が「出前館」のアカウントを作って、就労資格がない1400人もの外国人に月2万円で貸し出して、日本人と外国人の仲介役が手数料を中抜して儲けていたというのが背景ですが、このニュースはあまりにもさらっと報道されてしまったためにこれがどれだけ深刻なことかと言うことを全く理解していない日本の方が多いように思います。
海外かぶれの日本人が言わない 欧米住んだら地獄だった件(8月25日発売)
まず最も重要なポイントとしては「就労資格のない外国人」と言う点です。
日本に中・長期で滞在する外国人は技能実習生や就労許可、留学生、経営管理などのビザを取っているわけですがこの人たちは合法に働くことができます。
ところが「就労資格がない」と言う事はどういうことかと言うと、以上なしで旅行者として日本に入国していたり、滞在が中期間になるので旅行者のビザをとっていると言うパターンです。
基本的に旅行者として入国していると、その国で働くことができませんし、就労できるビザをとっている人と言うのは法務省の審査を通ってからビザを取得しているのである程度の背景のスクリーニングが行われています。
ところが旅行者として入ってくる場合はそういうチェックがないのでゆるゆるです。
しかし今回の事件で名義を借りてバイトしまくっていた外国人の多くはウズベキスタン人ですが、旧ソ連の人が日本に入国する場合は、短期の観光や商用、学術会議などの参加でもビザが必要で、申請には一ヶ月ぐらいかかる場合が少なくありません。
しかも日本人の身元保証人や会社による招聘が必要です。招聘の理由を書かなければなりませんし、滞在先の住所やスケジュールも提出が必要になります。戸籍謄本や住民票の提出も必要になってきます。つまりビザ申請者が逃亡したり行方不明になった場合は責任を負わなければなりません。