日本の1人あたりGDPは長期間停滞傾向が続いていましたが、2010年代から上昇傾向となっていて近年では過去最高を更新しています。
2023年は476万円で、1997年のピークである431万円を45万円ほど上回っています。
1人あたりGNIは1人あたりGDPよりも上昇傾向が強く、1997年の437万円に対して、2023年には504万円と67万円の増加です。
一方で、1人あたりNNIは1997年の336万円に対して2023年は389万円と、53万円の増加に留まります。
5. 国民所得の特徴
今回は、国民所得についてご紹介しました。
実際の計算としては、国内総生産(GDP)に海外との所得の受払いを計算したものが国民総所得(GNI)になります。
そこから更に固定資本減耗を差し引いたのが国民純所得(NNI)で、国民の正味の所得となります。
日本は海外への投資が超過している分だけ、GNIがかさ上げされています。一方で、固定資本減耗が多い日本では、NNIは他国以上に目減りしている可能性がありそうです。
「国民の豊かさ」を測る指標として、1人あたりGDPや、1人あたり調整可処分所得、等価可処分所得、平均給与など様々な指標が考案されていますが、1人あたり国民純所得も重要な指標としてOECD等で公開されています。
今回は日本の国民所得についてご紹介しましたが、次回以降では国民所得の国際比較についてご紹介していきたいと思います。
皆さんはどのように考えますか?
編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2025年8月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。