もう1つは「商社はリスクを取る」という点も忘れてはなりません。もちろん、その意味は「切った貼った」という大雑把なものではなく、「精査を尽くして賭け、粘り強く尽力する」といったほうが良いでしょう。最近の日本の一般企業にはこのリスクへの取り組み方がより保守的になっているように見えます。「自分が社長の時にはそんな改革的なことはできない」と。そんな中で商社は過去、温度差はありますが、果敢に攻めたという点ではさすがだと思います。バフェット氏は「経営に積極姿勢がある商社」という点も当然見ているのだろうと察します。
止まらない出生数減
1-6月の暫定出生者数が発表になり、昨年同期比3.1%減の33.9万人となりました。これには外国人も含まれています。24年の出生者数のうち外国人が3.5万人、4.9%でしたのでこれを当てはめると1-6月の日本人の出生者数は32.2万人程度と類推できます。年間に直すと64.4万人。24年が68.6万人でしたから出生者数減少ペースは収まっていないということになります。このままでいくと2030年に日本人の出生者数が50万人を切る可能性が出てきてしまいます。(最悪のシナリオの場合です。)

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以前から申し上げている通り、少子化傾向は日本だけで起きているわけではなく、世界中の潮流であります。特に東アジア、一部の東南アジアと欧州が目立って悪く、カナダですら出生率は1.26でしかないのです。故に移民を増やし続けているのです。私は以前から言っているように成熟化した社会ほど出生率は下がると見ています。また激しい受験戦争や就職戦線がある東アジア全般も同様かと思います。それは教育費に金がかかることよりも教育する手間が問題なのではないかという気がしています。カナダでもティーンエージャーを持つ親は習い事の送り迎えで親はへとへとになっています。
ではこのまま日本の人口は収縮を続けるとお前は考えるのか、と言われると歯止めがかかる時がいつかは来るかもしれないと思います。それは生物界の種の保存という考え方が潜在的に起こりうるからです。ただし、起こらない確率もあります。それは人類の歴史で民族が消えたケースなどいくらでもあるわけで、長いホモ サピエンスの歴史の中で淘汰は必然であるのです。そういう意味では現在約130万人の日本人が海外に住んでいますが、その人たちが日系2世、3世…とつないでいけば案外、祖先を日本人に持つ人として広がりが出るのかもしれません。民族と共にブラッド(血統)という考え方も一つあるのでしょう。