まずは個人の主観や感覚といった曖昧なものを徹底的に排除し、誰が見ても同じ結論に至る状態を「数値化」によって構築します。

これにより、上司と部下の間、あるいは部署間での認識のズレ、すなわち「誤解」や「錯覚」の発生余地がなくなります。

不要な確認コストやコミュニケーションロスが削減され、組織全体の判断精度とスピードが飛躍的に向上するでしょう。

つまり 数値化は、組織における客観的な「共通言語」を創造し、公平な「ルール」運用の基盤となる取り組みなのです。

この共通言語とルールによって、各自の『位置』と『役割』において求められる『結果』が明確になり、誤解や錯覚のない組織運営が可能になります。

主観的なマネジメントが引き起こす3つの問題

主観的なマネジメントが引き起こす問題として、以下の3つが挙げられます。

評価における「ひいき」や「印象バイアス」 コミュニケーションで誤解が生じる可能性がある 会議が空中戦になる

それぞれ詳しく解説していきます。

評価における「ひいき」や「印象バイアス」

主観的な評価が組織を停滞させる要因として挙げられるのが「ひいき」や「印象バイアス」です。

特定の部下に対して「努力しているように見える」「性格が良い」などの印象で高く評価してしまうと、他の社員との評価基準に一貫性がなくなり、評価制度の公平性が損なわれます。

こうした主観に基づく評価は、組織内に不信感を生み、優秀な人材の離職を招くリスクも高まります。

識学では、評価はあくまで『結果』に対してのみ行われるべきとしており、個人の印象や努力の“プロセス”は評価対象としません。

したがって、評価項目とその基準、すなわち『評価ルール』を明確に定義し、誰にとっても客観的に測定可能な「数値」で可視化することで、評価者の主観や印象に左右されない公平なマネジメントを実現します。

主観的な評価は『誤解』を生み、社員の納得感を著しく損ね、組織への不信に繋がるため、評価は曖昧に「感じるもの」ではなく、明確な基準として「示すもの」でなければならないのです。

コミュニケーションで誤解が生じる可能性がある