一方で、途中出場がメインではあるが13試合に出場していたMF名願斗哉が期限付き移籍を解除し川崎へ復帰。12試合出場のFW梅木翼もブラウブリッツ秋田へ期限付き移籍し、ベンチも含めた選手層という意味では薄くなった感がある。さらに最も痛手と言えるのが、MFオナイウ情滋の横浜F・マリノスへの個人昇格だ。その高い突破力と精度の高いクロスで、今季17試合2ゴール3アシストとチャンスを作り出していた成長著しい選手を失っている。
必ずしも絶対的な主軸が流出したわけではないが、まだまだ長いリーグ戦を戦い抜く上で貴重な戦力を手放したことに変わりないことから評価を3位とした。他の上位勢が積極的な補強に動いていることも含め、今夏の移籍が最終的な順位争いの行方を左右しかねないだけに、今後のチームへの影響が気がかりだ。

2位:ブラウブリッツ秋田
今夏のOUT選手
- 小松蓮(ヴィッセル神戸へ完全移籍)
- 川本梨誉(清水からの期限付き移籍を解消しFC岐阜へ期限付き移籍)
- 深港壮一郎(町田からの期限付き移籍を解消しいわきFCへ完全移籍)
- 井上竜太(東京ヴェルディへ完全移籍)
2020シーズンのJ3を優勝し、J2昇格以降中位をキープして昨季を10位で終えたブラウブリッツ秋田。吉田謙監督体制も6年目となり、さらなる躍進を期待された今季だったが、ここまでは苦しい戦いが続いている。前半戦は開幕こそ連勝スタートを切ったものの、その後の4連敗など4度の連敗があり低迷。後半戦に入り持ち直した感もあるが、トップハーフとは勝ち点が離れており昨季以上まで順位を引き上げられるかが今後の見どころとなりそうだ。
そんな秋田だが、今夏の移籍によってさらに苦しい戦いを強いられる可能性がある。FW川本梨誉とDF深港壮一郎の期限付き移籍解消に伴う他クラブへの流出については、彼らの今季の出場試合数を考えればチームへの影響は限定的だろう。しかし、その他個人昇格した2名については別だ。ヴィッセル神戸へと移籍したFW小松蓮は、昨年に続き攻撃の主軸選手。今季もすでに10ゴールと二桁得点を挙げてチームトップスコアラーとなっていただけに、その影響は計り知れない。また、守備でも19試合に出場していたDF井上竜太が東京ヴェルディへと移籍。まさに攻守の要を失う形となっていることから評価を2位とした。